名古屋港の新たな魚釣り施設の候補地として、鍋田ふ頭東側と北浜地区の2カ所が選定された。名古屋港管理組合が立ち上げた有識者の委員会が10日に決めた。今回の結果を踏まえ、同組合は2015年度をめどに、施設の整備時期や規模など、事業の方向性を固めたい考え。
魚釣り施設は、同組合が設置し、レジャー用の釣り場所として一般に開放する施設。愛知県知多市の北浜ふ頭にあった施設が、高潮防波堤のかさ上げ工事に伴って利用を終了したことから、新たな施設の在り方を検討してきた。
候補地に選定されたのは、愛知県弥富市の鍋田ふ頭東側と知多市の北浜地区。港内4カ所を調査し、安全面や整備のしやすさ、水質、年間を通して期待できる釣果などから絞り込んだ。周辺自治体から施設整備の要望も出ているという。
委員会は鍋田ふ頭について、整備面では、「最大で延長約780bの施設を計画可能」と評価。一方で、道路など付帯施設の整備が必要となるとした。
北浜地区に整備可能な施設の最大規模は、西側の場合約1230b、東側は約380b、南側は約1200b。ただし、西側には緑地計画があるため配慮しなければならない。南面については、水面から釣り場までが高く、天端の幅が狭いため、足場などの整備が必要になる。また、北浜ふ頭の北側では、埋め立てによる新たな食糧コンビナートの建設を同組合が計画している。このため、魚釣り施設整備とコンビナート建設との調整が必要になる。
同組合は今後、施設の整備時期や規模、財源を含めた事業手法、管理運営手法などについて検討していく。15年度をめどに事業の方針を決めたいとしている。
旧魚釣り施設は、事業費約8億5000万円を投じて、釣り場と管理棟、駐車場、トイレなどを整備した。
提供 建通新聞社