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北海道建設新聞社
2015/02/04

【北海道】ゼネコン道内受注高、4-12月は上位50社総額4500億円 

 北海道建設新聞社は、2014年度第3四半期末(4―12月)のゼネコン道内受注高ランキングをまとめた。首位は305億6700万円を受注し、唯一300億円台に乗せた大成建設。2位は岩田地崎建設で300億円台にあと一歩と迫った。3位には清水建設が入った。5位の宮坂建設工業と6位の中山組、9位の岩倉建設はいずれも調査の集計方法を暦年から年度に変更した07年度以降で最高額を記録した。上位50社の受注総額は4516億8900万円で、前年度同期を3%下回っている。官庁土木は過去最高額を示したが、民間建築で停滞感が漂っている。全252社の平均受注額は27億8000万円となり、前年度に次ぐ水準だった。
 上位10社は、本州大手3社と準大手2社、道内5社の内訳。道内企業が半数を占めるのは10年度同期以来4年ぶり。
 大成建設は上半期(4―9月)の受注額を倍増させ、5位から首位に浮上。官庁土木と民間建築でともに50億円を上積みした。大型工事は第3四半期(10―12月)に、札幌建管の望月寒川広域河川改修(放水路トンネル)と函館開建の函館江差自動車道渡島トンネル木古内工区、札幌市の白石区複合庁舎新築を落札し、ホテル複合施設の仮称ロイヤルパークスER札幌新築を受注した。
 2位の岩田地崎建設は296億1100万円を受注した。官庁土木が135億500万円を占めてトップ。主な工事は、共同体サブで札幌建管の放水路トンネルと札幌市の豊平川導水路新設その1を落札し、札幌医大教育研究施設T改築1工区を単独受注。このほか、北湯沢温泉郷湯元名水亭改修や旭イノベックス石狩工場新築、北星学園大短期大学部センター棟改修、帯広市内の北海道ホテル改装も請け負った。
 清水建設は260億7900万円を受注し、上半期の6位から3位に上がった。民間建築は100億円近くを伸ばし、官庁建築とともにトップとなった。リンナイ北海道支店の新社屋建築やJR北海道社員研修センター新築が主なところ。
 鹿島は上半期までの大量受注で4位につけた。受注額は220億4500万円で、第1四半期(4―6月)に石狩湾新港発電所1号機新設土木を受注して民間土木が群を抜いてトップ。日本血液製剤機構の千歳工場凝固棟改修第3期を積み増した。
 宮坂建設工業は、同社過去最高額だった前年度を3割上回る211億6100万円で5位となった。函館開建の渡島トンネル北斗工区と室蘭開建の日高自動車道豊郷トンネルを共同体サブで受注している。
 6位の中山組も184億4700万円を受注して過去最高額を更新した。日本ニューホランド苫小牧デポ増改築を獲得し、民間建築も伸ばしている。
 伊藤組土建は172億3300万円で7位とした。札幌医大教育研究施設T改築3工区を共同体メーンで受注したほか、太陽光発電の関連工事も順調だ。
 熊谷組は、159億400万円の受注と前年度同期の66位から8位に上げた。豊郷トンネルを共同体メーン、旭川開建のサンルダムを共同体サブでそれぞれ受注したほか、KKRの斗南病院新築を獲得している。
 9位の岩倉建設は140億300万円で過去最高額。官庁土木は初めて100億円台に乗せた。10位の戸田建設は139億7600万円で東海大第四高の新校舎建設などを受注した。
 11位以下を見ると、11位の大林組、12位の西松建設、13位の田中組、14位の竹中工務店、15位の丸彦渡辺建設まで受注額を100億円台に乗せた。20位のフジタが前年度同期の227位から急上昇したのをはじめ、小泉建設と畠山建設、藤井工務店、川田工業、田端本堂カンパニーが上位50社入りを果たした。
 分野ごとの上位5社は、官庁土木が@岩田地崎建設A大成建設B岩倉建設C中山組D宮坂建設工業、民間土木が@鹿島ANIPPOB鹿島道路C日本道路D大成ロテック、官庁建築が@清水建設A戸田建設B大成建設C鹿島D田中組、民間建築が@清水建設A大成建設B岩田地崎建設C宮坂建設工業D西松建設―となっている。
 50社の受注総額は4516億8897万円。2年連続で4000億円台を維持したものの、過去最高だった前年度同期に比べて3%、141億円下回った。
 前年度に続く15カ月予算を執行した官庁土木は過去最高額を示した。一方で民間建築は前年度に消費税増税の駆け込み需要で急増したが、一段落した格好だ。
 総額の内訳は、官庁合計が2.9%増の1891億4555万3000円と過去最高を記録し、民間合計が6.9%減の2625億4341万7000円と後退。比率は官庁の41.9%に対し、民間が58.1%と官庁が4割を超えた。
 土木の合計は5.3%増の1963億1789万円。このうち官庁が5.1%増の1435億2884万8000円と過去最高で、民間が5.6%増の527億8904万2000円と伸びが著しい。建築の合計は8.5%減の2553億7108万円で、官庁は3.5%減の456億1670万5000円、民間は9.6%減の2097億5437万5000円だった。
 51位以下を含む1社当たりの平均受注額は27億8000万円。過去最高の前年度同期を4.2%下回るが、リーマンショック前である07年度同期の水準は上回っている。