建通新聞社
2015/02/04
【大阪】大阪市 天王寺動物園方向性でたたき台
大阪市建設局は、天王寺動物園の今後の方向性(たたき台)をまとめた。ハード面では、老朽施設の計画的な改修・再配置や、新たなサービス施設の導入を想定。3月末までに報告書(基本構想)としてまとめる。その後、2015年度に基本計画を策定し、計画に基づく一部動物舎の整備に着手する方針だ。
整備が必要なエリア構成については、ホッキョクグマ舎のある南西一角を第1期整備候補エリア、ペンギン舎のある北西一角を第2整備候補エリアに位置付けた。
施設老朽度の高い第1期エリアから優先的に建て替えを図る計画だ。
展示の考え方では、既存施設を改修しての活用や、新たに子ども動物園エリアを設置し、モルモット、インコ・オウム類と触れ合えるサービスの提供を検討。このほか日本産動物エリアや水系動物エリアを新たに整備する案が示された。
天王寺動物園は国内で3番目に開設された歴史の古い動物園。1995年からはZOO21計画に基づく施設整備を実施してきたが、市の財政悪化で整備が停滞し、現状に合った新たな計画が必要となっていた。
今回のたたき台は、大阪市天王寺動物園飼育動物維持計画検討有識者会議で示されたもの。今後も、新たなコレクションプランと併せて、必要な施設整備計画の検討を進め、来年度に具体的な整備対象施設を絞り込むほか、収支・経営形態の在り方を審議し、基本計画に反映させていく。
同市では天王寺公園との一体的な管理運営と、民間活力の導入で一層の魅力向上を図る方針を示しており、市の来年度当初予算編成では基本計画策定を見据え、先行整備やコレクション強化などの関連費用として1億2300万円の計上を見込む。基本計画策定業務の委託費には3800万円を要求中。