日本工業経済新聞社(群馬)
2015/02/03
【群馬】群馬県2015年度予算案
大澤正明知事は3日、2015年度当初予算案を発表した。一般会計の公共事業費は859億円、投資的経費は1136億円を確保、引き続き7つの交通軸整備や災害対策などを推進していく。一般会計総額は前年度から5・0%増となる7159億6600万円。制度融資を特別会計に移管した08年度以来、初めて7000億円を突破する超積極型となった。大澤知事は「『富岡製糸場と絹産業遺産群』の世界遺産登録や東毛広域幹線道路の全線開通などの勢いを加速させ、県内景気の回復をより確かなものとする」と述べ、『元気飛躍予算』と命名した。
公共事業費859億円は、当初予算ベースでは前年度から22億円(2・6%)増となった。補助公共が243億円で前年度から4億円(1・9%)減少した分を、単独公共で前年度から26億円(4・5%)増の616億円を確保し、補完した。財政課によると、単独公共事業費616億円は、記録が残る1984年度以来過去最大だという。大澤知事は「公共事業は経済対策としても重要な政策。当初予算と一体的に実施する国の14年度補正予算が過去2年に比べ規模が小さく、公共事業の急激な落ち込みを防ぐ必要がある。県内経済を下支えし、本県の優位性を高める社会基盤整備のため、地方財政計画を上回る+2・6%とした」と説明した。
7つの交通軸関連には、前年度から3・2%増となる286億6795万2000円を計上した。国道17号上武道路や国道50号前橋笠懸道路、東毛広域幹線道路、西毛広域幹線道路、上信自動車道などの整備に重点的に取り組んでいく。
災害対策にも引き続き力を入れる。ハード・ソフトで100億793万4000円を盛った。治水対策面では新規で、利根川や井野川の河川改修などに着手する。土砂災害対策面では土石流対策、がけ崩れ対策、地すべり対策を講じるほか、桐生市の林野火災対策も実施する。
林業振興面では、「林業県ぐんま」への飛躍を掲げ、127億204万5000円を措置した。新規で県産材加工地域拠点施設整備に2月補正案と合わせて5億3123万6000円を確保。(仮称)川場村林業振興らが計画する施設整備に対して補助を行う。
このほか、主な新規事業として、高崎北警察署(仮称)新設整備に761万6000円を計上した。高崎市箕郷町内の建設候補地で測量調査を行っていく。設計費や用地費は盛り込まれていない。
大規模商業施設耐震診断費補助には862万4000円を措置。改正耐震改修促進法により、ことし12月までに耐震診断実施が義務付けられた大規模小売店舗(3階以上かつ面積5000u以上)のうち、中小企業が所有するものに対し、市町村を通じて補助する。商政課によると、県内に該当施設は2店舗あるといい、今後公募していく見通しだ。