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日本工業経済新聞社(群馬)
2015/02/02

【群馬】有馬トンネルの補修へ併設水路を新年度発注

水資源機構群馬用水管理所は、老朽化が進む有馬トンネルの補強工事へ向けて、工事期間中に必要となる用水の切り回し用トンネルL約2qの建設を新年度に発注する。1月30日に実施設計と用地測量の一般競争入札が公告され、いずれも3月5日に開札される。これらの業務が夏ころに完了する予定のため、工事は新年度の下期に一括発注となる見通し。シールド工法での掘削を検討している。
有馬トンネルの補強工事は、群馬用水緊急改築事業として2014年12月に国の実施計画認可を受けた。18年度中の事業完了を目指して、これから環境影響調査、地形測量、用地測量、実施設計に取り組む。環境影響調査は東京コンサルタンツ(東京都千代田区)、地形測量はプライムプラン(前橋市)が担当する。事業費は約30億円を見込む。
有馬トンネルは、渋川市を通る榛名幹線に位置付くL約2qのトンネル区間。榛名幹線は、県央第一水道事務所、高崎市水道局などが取水し、約50万人に上水を供給しているとともに、農業用水の供給をも支える重要なL約24qの幹線水路となっている。
この重要幹線の一端を担う有馬トンネルでは、経年劣化による損傷により、トンネル上部のひび割れ、コンクリート背面での空洞と地山の緩みが確認されている。また、コンクリート継ぎ目からの地下水漏水も多数確認されており、有馬トンネルが崩落し通水が不能になった場合に備え、今回の補強計画が事業化された。
有馬トンネルの補強期間中、上水を切り回すための併設水路トンネルL約2qを建設する。併設水路はシールド工法の採用を検討している。口径は約2mを見込んでおり、有馬トンネル補強完了後も緊急対応時や維持管理の際に活用する予定。
有馬トンネルの補強工事は、冬季期間に実施するため、工事期間は1〜2シーズンを見込む。
現在は、トンネル保全工法検討業務などを進めている段階で、夏ころまでに完了を見込む実施設計で併設水路トンネルの線形や規模、工法が定まってくる見通しとなっている。