建通新聞社四国
2015/01/30
【高知】高知市新庁舎は延べ26000平方b
高知市は、新庁舎建設に向けた基本設計案を取りまとめた。1月22日に行われた第9回建設検討専門委員会で明らかにした。規模は鉄骨鉄筋コンクリートおよび鉄骨一部鉄筋コンクリート造地下1階地上6階建て延べ2万6045平方bとなり、各階の平面計画や構造計画、設備計画も示した。2月中に開かれる市議会常任委員会を経て最終決定し、引き続き実施設計に移る。
各階の平面計画によれば、1階は東側をメーンエントランスとし、総合案内や階段、エレベーターの位置を分かりやすく配置。エントランス部には3層吹き抜けの市民ロビーを設け、明るく開放的なデザインとする。南北と西側にも出入り口を設け、どの方向からも庁舎に出入りできる構成にする。2階は、窓口部門を集約し、相談室の充実などプライバシーや利便性に配慮して整備する。食堂を配置するほか、設備機器の一元管理が可能な中央管理室を設ける。3階には東側に議会ゾーンを配置し、一部窓口部門も配置する。
4階には市長ゾーンを配置し、災害時の本部員会議室を兼ねる庁議室を併設する。このほか管理部門を配置し、小会議室や書庫・倉庫を整備する。5階は将来の機構改革にも対応できるようオープンな執務室とする。6階はセキュリティ性が求められる情報機能や研修室、書庫などを配置する。会議室の間仕切りを可動式とすることで大会議室としても利用可能とする。災害用の備蓄倉庫や仮眠室も配置する。屋上には災害時に使用できるようヘリコプターのホバリングスペースを設置するほか、自然エネルギーの有効活用を図るため、太陽光パネルの設置を検討している。地下には約130台の来庁者用駐車場と約30台の公用車用駐車場を整備する。
構造計画では、基礎型式を既製コンクリート杭と液状化対策用地盤改良(静的締め固め砂杭工法)とする。構造種別は、地下1階柱頭免震構造とし、地上部が鉄骨鉄筋コンクリートおよび鉄骨一部鉄筋コンクリート造、地下と基礎部が鉄筋コンクリート造。架構形式は耐震壁付きラーメン構造。高さは軒高25・8b、最高27b。
設備計画では、電気設備で▽常・予備2回線を浸水対策のため6階電気室に引き込む▽非常用発電機はコスト・機能的に優れたディーゼル発電機を6階発電気室に設置し地下埋設タンクより72時間分の燃料供給▽太陽光発電パネル約100`h相当を屋上に設置▽BEMS(エネルギー監理システム)導入▽LED照明器具を主体とした照明計画▽タスク・アンビエント照明を検討−など。空調設備では▽中央熱源(外気処理用)と個別熱源(室内温度調整用)を組み合わせた方式▽1階事務室とロビーは床吹き出し方式−など。衛生設備では▽上水・雑用水の2系統給水▽災害時対応として敷地内に井戸新設▽井水は雑用水の水源として平常時利用▽洗面器は自動水栓、洋風便器には暖房洗浄便座▽公共下水道不能時にも使用可能なようバルブにて排水槽に切り替え−などを示している。
新庁舎は、現在の本庁舎と市民図書館の跡地に建設。現本庁舎は秋から解体する。新庁舎の建設工事は16年1月ごろ公告し、3月議会の承認案件とした後、18年度中の完成を目指す。
基本設計は日建・上田設計委託業務共同体(大阪市・高知市)が担当。引き続き同共同体で12月31日までの期間で実施設計に入る。