日本工業経済新聞社(群馬)
2015/01/28
【群馬】前橋工科大学の実験棟改築へ
前橋工科大学は実験棟の改築を計画しており、前橋市の新年度当初予算に設計費の予算要望を行っていることが分かった。予算が確保されれば、新年度から改築に向けた基本設計と実施設計に着手し、2017年度までの完了を目指したい考えだ。ただ、市の財政状況にもよるため、予算が確実に確保できるかは流動的。なお、実験棟は耐震診断の結果、D判定を受けており、改築の際は校地内の一画に新施設を建設したのち、既存施設を解体する流れを想定している。
前橋市上佐鳥町にある前橋工科大学は、2013年4月から公立大学法人となり、校地は大学所有地となったが、施設は前橋市の所有施設のままとなっている。このため、施設整備は、市の財政状況、ほかの市有施設との優先整備順位にも左右される状況にある。当初は小中学校や福祉施設、清掃施設整備などが一段落したのちに着手する流れだったが、耐震性の早期確保という観点から、実験棟のみ優先的に進めることが市と申し合わされた。
前橋工科大学の実験棟は、1972年に建設されたS造平屋建て、延べ床面積925・45u。土木や建築にかかわる振動関係の実験棟として頻繁に利活用がある施設。2012年度に耐震診断を実施した結果、耐震性が低いD判定を受けたため、校内にある他施設よりも優先的に施設整備を実施するため、改築の方向で市と検討を開始した。大学側は新年度からの設計を要望しているものの、市の財政状況によっては着手できるか、まだ流動的となっている。ただ、改築計画に向け、市と調整を重ねつつ年度計画や基本構想などの計画促進を図っていく予定。現段階では、既存施設の南西にあるクラブ棟前駐車場あたりの敷地を活用した建て替えを計画している。
なお、大学内には実験棟のほかにも、耐震性に課題を残す2号棟と図書館がある。これら2棟も09年度と10年度に耐震診断を実施した結果、C判定だった。将来的にはこれら2棟の施設対応も図られる見通しだが、市が付けた優先整備順位もあるため、今のところ実施時期は未定。2号棟は1972年築のRC造3階建て、延べ床面積1803・3uで、教授室として活用されている。
一方の図書館は、1976年に建設されたRC造4階建て、延べ床面積2076・89uとなっている。