中部電力(名古屋市東区東新町1)は26日、浜岡原子力発電所(御前崎市)に使用済燃料乾式貯蔵施設を建設するため、原子力規制委員会に申請書を提出した。2018年度の使用開始を目指しており、建設工事に約3年を見込んでいることから、許可が得られれば15年度中にも着工することになりそうだ。
乾式貯蔵施設は、燃料プールで累計10年以上冷やした燃料を、放射線を遮へいする金属キャスクと呼ばれる容器に移し、空気の自然循環で冷やしながら貯蔵する施設。プール式に比べて安全性が高いとされており、福島第一原発事故の事故を教訓に、原子力規制委らが乾式の採用を勧めている。同原発がある静岡県の川勝平太知事も再稼働の前提条件に乾式貯蔵施設の建設を挙げていた。
施設規模は、建屋が東西約51b×南北約54b×高さ13b。使用済み燃料に含まれる金属ウラン量で400d規模(燃料集合体で約2200体)を貯蔵する。主な設備は金属キャクスのほか、これを取り扱う専門設備や放射線監視設備など。建設費は約300億円を見込んでいる。
今回の申請は、14年2月に新生した浜岡原発4号機の新規制基準適合性確認審査に係る発電用原子炉設置変更許可申請書に、乾式貯蔵施設に関する事項を追記して再申請したもの。現在は審査中で、日本原子力発電、東京電力に続く建設計画となる。
(2015/1/28)
建通新聞社 静岡支社