建通新聞社四国
2015/01/27
【愛媛】南予用水改修に3.9億円を要望
農林水産省中国四国農政局は、国営かんがい排水事業の南予用水改修に2015年度から着工するため、3億9000万円の事業費を要望している。早いものでは、伊方揚水機(伊方町)の電気設備補修を4月早々に発注し、他の案件は6月ごろの発注を見込む。
15年度の発注を計画しているのは、宇和島中央管理所建屋と野村取水塔建屋のひび割れなど補修。吉田導水路(トンネル延長180b)の鋼管内面塗装。設計はサンスイコンサルタント(京都市下京区)が担当。
布喜川調整池建屋と伊方調整池建屋のひび割れなど補修、7・8号支線揚水機建屋と伊方揚水機建屋・日土1号支線揚水機吸水槽の建屋補修。設計は内外エンジニアリング(京都市南区)が担当。
伊方調整池と野村取水塔の電気設備補修。伊方揚水機と伊方2号支線揚水機のポンプ設備のオーバーホールと電気設備補修。設計はNTCコンサルタンツ中国四国支社(岡山市北区)が担当。
ほか発注年次は未定だが宇和島中央管理所と子局5カ所の水管理施設更新の設計も14年度に実施し、内外エンジニアリング(京都市南区)が担当。
南予用水改修の事業期間は14年度から23年度までの10年間。43億円の事業費を見込む。初年度の14年度には1億6000万円の事業費で15年度発注予定箇所の設計を行った。15年度も翌年度発注予定の調査設計が外注される。
全体事業の主な改修計画は貯水池2カ所、揚水機20カ所、用水路5・1`のほか、水管理施設なども改修する。
貯水池では、1億5000万円で取水施設の補修や電気設備の劣化などに伴う更新を主体に改修。揚水機では15億7800万円でコンクリート構造物の補修、ポンプ内部の摩耗などポンプ設備、電気設備の補修を主体に改修。用水路では18億1300万円でコンクリートのひび割れや管継手部の劣化など漏水対策の管水路を補修。水管理施設ではシステムに不具合が発生しているため7億5900万円で機能保全を行う。
南予用水は、干ばつ対策として北は佐田岬から南は宇和島市に至る7200fの樹園地に農業用水を配水するため、1974年度から96年度にかけて幹線や支線水路などの新設、水源を野村ダムとする取水施設などを整備したほか、南予地域の水道用水を供給する南予水道用水供給事業との共同事業として実施した。
全体概要は取水塔1カ所(野村ダム)、補助水源1カ所(東蓮寺池)、調整池2カ所(布喜川調整池、伊方調整池)、導水路6・4`(吉田導水路)、幹線水路97・57`(北幹線水路と南幹線水路の2路線)、支線水路71・86`(20路線)、用水機場21カ所、調整水槽37カ所が整備されている。
配水区域は宇和島市(旧宇和島市、旧吉田町)、八幡浜市(旧八幡浜市、旧保内町)、西予市(旧三瓶町、旧明浜町)、伊方町(旧伊方町、旧瀬戸町、旧三崎町)の3市1町。