建通新聞社(神奈川)
2015/01/26
【神奈川】「水素エネルギー利活用へ。下水バイオガスから水素や電気、熱。日本初の研究スタート」
横浜市は、下水汚泥消化ガス(下水バイオガス)を活用してマルチエネルギーを生み出すため、公民連携の研究会をスタートする。
マルチエネルギーとはメタンガスと電気、熱、そして水素。まず東京ガスと三菱日立パワーシステムズの2者と連携し、早ければ2月に1回目の研究会を開催。研究の進め方や行政と企業の役割分担などを整理し、水素社会・低炭素社会実現のための具体的な研究を開始する。全国で初めての試み。
研究会では、既に東京ガスと共同研究を行っている「膜分離方式」による高濃度のメタンガスの精製技術を活用。下水バイオガスを都市ガスの代替燃料として三菱日立パワーシステムズが開発に取り組む「世界最高効率の業務用燃料電池」で電気や熱、水素を取り出して、所内動力や空調、自動車などに活用する。
実用化には、水素ステーションや天然ガススタンドなどのインフラ整備も必要だ。これらに関する技術を持つ企業などにも研究会への参画を求める。
下水汚泥を資源としたエネルギー活用は、エネルギーの”地産・地消”。市では現在、PFIのBTO方式で消化ガス発電事業を実施、電力や温水を供給している。今回スタートする研究でマルチエネルギーの創出技術を確立し、「環境未来都市 横浜」のエネルギー政策の展開に備える。市民が下水道事業を身近に感じることも期待する。
問い合わせ先は環境創造局下水道事業推進課・政策課、温暖化対策統括本部調整課。