静岡労働局は21日、発注者、施工者、労働基準行政が連携し、労働災害防止への取り組みをより一層活発にするため、国土交通省、静岡県に加え、新たに建設業労働災害防止協会静岡県支部と共に「建設工事関係者連絡会議」を発足させた=写真。議長を務める幡野一成労働基準部長は「監督という権限では現場に潜むリスクを拾い上げられない。パトロールへの参加など監督以外のところでも取り組みたい」と述べた。
同局では、これまで国土交通省中部地方整備局の県内事務所、静岡県とそれぞれ連絡会議を開いていたが、今回、建災防と関東地方整備局甲府河川国道事務所の参加を求め、「建設工事関係者連絡会議」として発展させることにした。
会議では、幡野部長に続き、森川博邦静岡国道事務所長は「事故防止には関係機関との連携も重要。連絡会議が事故撲滅の一助となるよう期待する」、原田揚一県交通基盤部建設支援局長は「災害は県民の社会生活に影響する。あらゆる事故を未然に防止するよう安全対策に取り組む必要がある」とそれぞれあいさつ。
また、木内藤男建災防県支部長は、安全教育の一層の充実の必要性を指摘した上で「今後も人、工事、会社の安全を目指していく」と話した。
議事では、静岡労働局が労働災害発生状況、足場からの墜落防止対策の強化、建設工事に対する監督指導結果などについて説明。続いて、各監督署から吸い上げた国交省、県に対する要望・確認事項を示した。具体的には、計画届の円滑な提出、粉じん対策への配慮、土木工事での墜落防止対策といった事項を挙げた。
初参加の建災防は、地元企業の災害防止活動の励みとなるような表彰制度を求めた。
静岡労働局は、今回の会議について「関係者が問題点を洗い出して把握し、情報交換を通じて有効な安全対策を講じていくもの」と位置付けるとともに、「監督署単位でも市町を含めた同様の会議を開催し、安全対策の実施を願いたい」と話している。
(2015/1/26)
建通新聞社 静岡支社