建通新聞社
2015/01/20
【大阪】北部ブロック着手へ 難波宮跡整備で府市
大阪市は、難波宮跡公園整備を広域的な事業に位置付け、2015年度から大阪府と財源を負担し合い、北部ブロックの整備と南部ブロックの在り方検討に着手する考えだ。来年度当初予算編成では、市建設局などが事業費1億5400万円を要求。府の負担額は今後詰める。北部ブロックについては用地取得、基本設計の委託を予定する。
難波宮跡公園は、大阪市中央区法円坂の一帯にある全体面積約11・2fの史跡公園。西部約1・2f、北部約2・3f、南部約7・7fの3ブロックに分け、段階的に整備を進めている。
北部ブロックは、法円坂交差点の北東角で中央大通りの北側に位置。これまでにブロック内のNHK跡地1・37fを取得済み(用地交換)。農林会館用地0・18fも本年度中に取得する予定で、15年度予算に繰り戻し金1億4600万円の計上を見込む。これにより未取得地は旧郵政公社跡地0・7fのみとなり、用地に一定のめどが付いたことから今後、公園整備にシフトする。
現在、難波宮跡公園基本計画改定検討を環境設計(大阪市中央区)で進めており、3月末までにまとめる予定。改定計画を踏まえ、15年度に北部ブロック整備の基本設計を別途委託し、16年度以降の工事発注に備える。
南部ブロックは、中央大通りを挟んで北部ブロックの南側に位置。史跡として供用しているが、今後は史跡を活用した公園として整備するため、15年度に在り方調査・検討業務を委託し、整備の方向性を固める。
難波宮は、飛鳥〜奈良時代にかけて造営されたもので、1961年から発掘調査を開始。大極殿などが復元されており、都心における歴史公園として、緑のオープンスペースと史跡との融合を目指した整備が行われる。
市の担当者は、「まずは府と調整した上で、基本計画の改定内容を踏まえ、基本的な設計を固めたい」と話す。
総事業費は10億8600万円を概算。このうち北部ブロックの公園整備(旧郵政公社跡地除く)に3億4300万円、用地取得に7億4300万円を見込む。