建通新聞社
2015/01/15
【大阪】15年度にあいりん総合C在り方検討 府市
大阪市は、西成区あいりん地域のまちづくりの方向性を早ければ1月中に公表する。これを受け2015年度には大阪府とともに、あいりん総合センターの在り方を検討。まちづくりの方向性に沿った施設の耐震方策などを探る考えだ。
同センターは、日雇い労働者のための拠点施設として1970年に完成。大阪市西成区萩之茶屋1ノ3ノ44に位置する。
既存施設には、労働福祉センターのほか、病院、市営住宅などが併設されており、5〜13階に住宅施設、5〜7階に医療施設、1〜4階に労働福祉施設(職業相談)、職業紹介施設(ハローワーク)が入居している。
総称として「あいりん総合センター」または「西成あいりんセンター」と呼ばれる。
施設規模は、鉄骨鉄筋コンクリート造13階建て延べ2万3267平方b。敷地面積は6357平方b。現在は、住宅と医療施設を市、労働福祉施設を府、ハローワークを国が区分所有する。
2011年には市が耐震診断を実施し、施設全体で耐震性能を備えていないことが判明。移転や耐震補強が考えられたものの、区分所有者が複数あることなどから方向性を決め切れずにいた。
ただ、橋下徹市長が特区構想を打ち出し、同年に西成特区構想プロジェクトチームを設置。松井一郎知事も市に協力する姿勢を示す中、昨年12月にまちづくりの方向性がほぼまとまり、公表に向け最終調整をしている。
来年度当初予算編成では、市福祉局が病院部分の大阪社会医療センターの基本構想策定を行うため、委託費に291万円を算定。府商工労働部では、西成労働福祉センターの在り方検討調査に550万円を見込む。ともに新規計上となる。
府の担当者は「補強か移転か、一体化かどうかも含めてセンターの在り方を考えたい」と話す。
府所管の労働福祉センターについては、地域労働者と利用者が減少している反面、就労支援や各種相談業務は機能しているため、難しい判断となりそうだ。また、府では所管施設の全ての耐震化を15年度末までに完了させる目標を立てており、目標達成へ在り方検討が待たれる。