建通新聞社
2015/01/13
【大阪】15年度から戦略的維持管理本格化 大阪府
大阪府は、橋梁などの都市基盤施設で、2015年度から戦略的維持管理を本格化させる。これに備え、具体的な行動計画を盛り込んだ都市基盤施設長寿命化計画(素案)をまとめており、本年度末にも正式に策定。日常的な維持管理と予防保全を中心とした計画的な維持管理を基本に、施設の長寿命化を進める。
府内にある橋梁は、全国と比べ建設ピークが5年ほど早かったため、35年度には全2210橋中1295橋(59%)が耐用年数を超える。
素案によると、橋梁の維持管理に不可視部分の点検を新たに導入するほか、橋梁点検一括発注の検討、新設工事上の工夫に取り組む。
不可視部分の点検では、橋梁床版の走行型レーダー計測と小型カメラによる箱桁内部調査の導入、PCケーブルの電磁波による非破壊詳細調査の導入検討を予定。
大阪中央環状線の橋梁群については、更新時期を見極めるための詳細調査を実施する。
橋梁の新設工事では、下部工検査路の設置、パラペットと桁端部との空間確保など、維持管理作業に適した構造を採用していく方向だ。
河川においては、河道特性に応じた効果的な巡視・点検を確実に実施するとともに、レーダー探査(非破壊検査)などの点検手法を検討する。
港湾では、鋼構造施設でコンクリート中塩化物イオン濃度測定を実施。河川設備では現況調査表の見直し、下水道設備では設置後35年の時間計画型更新を導入する。
別に、入札契約制度の改善(包括契約など)や人材の育成・確保による持続可能な維持管理の仕組みづくりを行う。
府内にある橋梁や河川設備は、他の自治体と比べ特に高齢化が著しく、13年度に大阪府都市基盤施設維持管理技術審議会を設置し、長寿命化計画の検討を進めてきた。1月8日には検討部会の最終審議が行われ、素案を了承済み。1月27日開催予定の幹事会に諮り、2月中旬に答申を得る。