日本工業経済新聞社(山梨)
2015/01/09
【山梨】リニア駅周辺整備方針骨子案が了承
県の第7回リニア駅周辺整備検討委員会が8日に開かれ、基本方針の骨子案を了承した。整備方針は@新たな広域交通結節点の形成A観光・交流拠点の形成B産業振興。駅前広場や駐車場、観光・展望施設、公園などを配置する。駅近郊にはリサーチパークや住宅地などの配置を検討し、リニア開業効果の拡大に努める。
県では2014年度内に基本方針を策定し、15年度と16年度で施設の規模や場所などの整備基本計画の策定を進める予定。さらに、27年度のリニア開業を見据え施設の設計や工事を進めるほか、官民協働(PPP)導入の可能性などを検討していく。
甲府市大津町にJR東海が整備する山梨県駅(仮称)の周辺整備の検討は県が行う。基本方針は、周辺整備の基本的な方向を示すために策定する。対象区域は駅を中心とする約24h。基本方針の具体的な内容は、整備方針、主要幹線道路などへの交通アクセス、整備スケジュールなど。
基本方針骨子案に盛り込んだ整備方針は@県の新たな玄関口となる広域交通結節点の形成A乗降客や観光客などでにぎわう観光・交流拠点の形成B産業振興に優位な立地特性の活用。
導入機能としては、駅南北に駅前広場、北側にパーク&ライド用駐車場、南側に観光機能(案内施設、展望施設など)、憩い・交流機能、産業振興機能(生涯健康寿命のサイエンスパークなど)、調整池を配置する。
基盤整備では、浸水被害や近郊の甲府中央スマートIC(仮称)などを踏まえた造成・排水計画とし、山梨らしい景観形成に配慮する。整備手法については可能な限りPPPを活用し、最適な事業手法を選択していく。
交通アクセスでは、メイン通りとして市道大津南北2号線を県道として整備するほか、JR身延線東花輪駅などと連絡する中央市道を活用する。
また、リニア開業効果の全県へ拡大するため、駅を中心に半径約4qエリアを駅近郊と位置づけ、リサーチパークやコンベンションセンター、研究・教育機関、新たな住宅地などの配置の可能性を検討する。
県では、今回の委員会での意見も踏まえ、基本方針案の策定を進め、3月に開催する次回の検討委員会に示す。
リニア建設に向けては、昨年10月に工事実施計画が認可され、事業主体のJR東海が県内でも地元説明会を開催するなど、用地取得へ動いている。