福島建設工業新聞社
2015/01/08
【福島】水産種苗研究生産施設/復興交付金で工事費配分申請へ/中部設計で実施案進行
県が相馬市に移転復旧する水産種苗研究・生産施設は、委託先の中部設計(富山市)で実施設計が進んでおり、県は27年度の施設建設工事着工に向けて今後、復興庁に対し、復興交付金(第11回)による次年度分の工事費配分の申請を目指す。実施設計期間は27年度第1四半期まで取っており、工事発注は早くて27年度の第2四半期、9月議会での請負契約案上程のスケジュールが想定される。
東京電力福島第一原子力発電所南にあった大熊町の水産種苗研究所と栽培漁業センターを相馬中核工業団地内に移転、復旧再整備する。相馬共同火力発電叶V地発電所の温排水を利用するため、同発電所南側に隣接する鰍`DEKA相馬工場敷地の一部に建設する。事業費約90億円を見込んでいる。
施設は基本設計が芙蓉海洋開発。現在、中部設計で実施設計が進行している。県は実施設計期間を確保するため、今年度6月補正で実施設計委託費に債務負担行為を設定して発注しており、27年度にまたがって設計を進める。
施設の敷地面積2万9580平方b。建築物は全体で延べ約7720平方bで、このほか飼育池や水槽等の工作物を整備する。
取水施設は2系統。新地発電所のボイラー冷却に使った温水を冬場に利用する「温海水取水ルート」(延長約1500b)と、夏場に温度の低い自然海水を利用するための「自然海水取水ルート」(延長約2100b)を設ける。
取水ルートは、建築物とは別途発注となりそうだ。
主要施設の概要は次の通り。
【建築物】▽魚類棟=W造平屋約850平方b▽管理棟=RC造3階建て延べ約1010平方b▽ヒラメ・アユ稚魚飼育棟=S造平屋約2520平方b▽ヒラメ親魚棟=W造平屋約550平方b▽採卵・作業棟=S造平屋約550平方b▽動物プランクトン培養棟=S造平屋約520平方b
【工作物】▽アワビ飼育池=既成FRP製約2520平方b▽混合海水槽約100平方b▽配水最終処理槽約380平方b