建通新聞社(中部)
2015/01/06
【愛知】名駅再開発 3月末までに基本計画
名古屋鉄道(名古屋市中村区名駅1ノ2ノ4)は、名古屋駅周辺の再開発に向けた素案の概要を取りまとめた。今後、細部を詰める作業を進め、3月末までに基本計画をまとめる見通し。早めれば2015年度にも基本設計に向けた調査に着手する。
同社の名古屋駅周辺再開発の対象区域は、北側の名鉄ビル(名鉄百貨店本館=写真中央)から太閤通を挟んで南側の名鉄レジャックまで約2・6f。区画内には近鉄パッセが入る名古屋近鉄ビル、名古屋鉄道本社などが入る名鉄バスターミナルビル、ヤマダ電機が入る大手町建物名古屋駅前ビルを含め、5棟のビルが建ち並んでいる。地権者は、名古屋鉄道のほか、近畿日本鉄道、三井不動産の2社。3社は共同で再開発を進めることに基本合意しており、基本計画の策定に向けて調整を進めている。
再開発は現時点で、これをすべて解体し、一体的な高層ビルを建設する方向で構想。内部は、既存の名鉄百貨店のほか、オフィス、商業施設、ホテル、住宅などを軸に検討を進めている。また、地下には名鉄、近鉄の両名古屋駅についても、名古屋市のまちづくり構想に盛り込まれた乗り換え空間「ターミナルスクエア」などを踏まえ、乗り換え易い工夫を施す見通し。中部国際空港に向かう空港線専用ホームの新設も検討している。
総事業費は素案段階で約2000億円を想定しているもよう。今後、細部を詰めて、基本計画ではより具体的な試算を示すことになりそうだ。
再開発のスケジュールについては、リニア中央新幹線の名古屋〜東京(品川)間が開業する2027年までの完成を予定。同社の山本亜土社長は、これまでに「27年度のリニア開業から逆算して、20年度の着工を目標としている」ことを明らかにしている。