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建通新聞社四国
2015/01/06

【徳島】堤防耐震対策早期実施へ

 国土交通省四国地方整備局と徳島県は、那賀川水系河川整備計画変更案をまとめた。那賀川や桑野川など那賀川水系における南海トラフ巨大地震に備えた堤防耐震対策(地震津波対策)の早期実施と宮ヶ谷川(県管理区間)の浸水被害解消などを図る。今後は県や関係市町村長の意見を踏まえ早期の策定を目指していく。
 主な変更内容は地震・津波対策の追加と宮ヶ谷川の改修方式の変更。このほか維持管理を目的に対象河川を圏域内全て(国管理6河川+1ダム、県管理74河川)に変更。また、項目に内水対策と地震津波対策、河川管理施設の維持管理などを盛り込むことにしている。対象期間は策定後、おおむね20年間。
 地震・津波対策では、国管理区間で那賀川の河口部(左岸約1・9`、右岸約2・8`)と桑野川の河口部(左岸約5・6`、右岸約4・9`)を対象に、それぞれ施設計画上の津波に対して必要となる堤防の整備や液状化対策、河川管理施設(堤防・水門・樋門など)の耐震化対策、閉扉操作の自動化・高速化・遠隔化などの対策を計画的に実施していく。このほか県管理区間では、出島川を対象に河川管理施設の耐震化対策を図ることにしている。
 また、宮ヶ谷川の改修方式の変更は、09年8月10日豪雨時の大規模な浸水被害を踏まえ、現行計画の築堤方式から嵩上げ方式に変更する。
 同河川整備計画は、「安全で安心できる那賀川水系の未来が拓ける川づくり」を基本理念に今後20年程度の間に実施する那賀川水系の具体的な河川整備内容を定めるもの。那賀川については、国管理区間で、現在実施中の深瀬箇所など無堤部の堤防の整備と長安口ダムの改造を優先して実施するほか、流下能力不足解消で樹木の伐採、河道の掘削、堤防の整備済み区間の局所洗掘対策や堤防の浸透対策などを実施していく。県管理区間では、和食地区、出原地区、平谷地区の整備を計画的に実施する。
 桑野川では、国管理区間で床上浸水対策特別緊急事業(引堤3・2`、排水機場など)や無堤地区の堤防の整備、堤防の整備済み区間の局所洗掘対策や堤防の浸透対策、必要な河道の掘削などを計画的に実施する。県管理区間では、現在実施中である事業を中心に推進していく。
 また、これらの事業推進に当たり、地元市町との連携や地元の理解を求めていくほか、整備の進捗状況をフォローアップし、必要に応じて、変更など見直しを適切に行っていくことにしている。