日本工業経済新聞社(山梨)
2015/01/05
【山梨】県議会がリニア駅周辺整備で提言
県議会の中央リニア新幹線建設促進議員連盟は、県が策定を進めているリニア駅周辺整備基本方針に関する政策提言をまとめた。提言では、駅周辺地区の水害対策、周囲の景観と調和した駅前景観の形成、民間資金などの活用検討、駅前に計画する産業振興機能を核とする駅近郊のまちづくりの方向性の提示などを求めている。
リニア山梨県駅(仮称)は、甲府市大津町にJR東海が設置を計画。県では駅周辺地区の整備に向けて整備基本方針の策定作業を進めており、県議会議員連盟では、県が示した基本方針の骨子案についての意見をまとめ、提言にまとめた。
提言の内容は大きく4項目で、@防災対策A山梨らしい駅前景観の形成B民間資金や技術力などの活用C駅近郊のまちづくりと開業効果の全県への波及。
防災対策では、駅周辺の標高は約250mと甲府市で最も低く、河川が集中し、これまでも浸水被害が発生していることを指摘、そのため、アスファルトなどの被覆面積を最小限に抑えるなどの流出量の抑制と、調整池の配置などによって流出量の増加に適切に対応すること、排水計画の策定では整備に伴う周囲への影響にも配慮することを求める。
また、駅周辺は中央自動道などが近く、駐車場や公園などのオープンスペースも計画されていることから、災害発生時を想定した整備を検討することも盛り込んだ。
駅前景観については、県の新たな玄関口として、周囲の農地や景観と調和に配慮することや、眺望を妨げない整備の検討を提言。
民間資金や技術力の活用では、観光施設などの整備にあたり、PFIを含むPPP全般について適切な時期に導入の可能性を十分に検討することを求める。
開業効果の全県への波及については、駅近郊は市街化調整区域が多く乱開発防止対策が必要なことや、駅周辺地区が果たす役割と県内各地域との関連性などを示すことが求められていると指摘。そのため、駅周辺に整備する産業振興機能を核として、将来の本県産業の発展を先導するような駅近郊のまちづくりの方向性を示すこと、さらには、開業効果や全県への波及させるための方向性を観光や交流の分野で示すことも求めている。
政策提言は、横内正明知事へ提出する。県では駅周辺整備基本方針を本年度内に策定する。