建通新聞社(東京)
2015/01/05
【東京】北青山三丁目地区で新たなまちづくり―都
東京都は長期ビジョンに基づく取り組みをスタートさせる。都市整備局が青山北町アパートの建て替えに併せて創出する用地に民間開発を誘導して新たなまちづくりを開始し、建設局が新たに策定した無電柱化推進計画に沿って都道延長717`と区市町村道延長199`の整備を進めていく。
「北青山三丁目地区まちづくりプロジェクト」と銘打って開始するのは、青山北町アパートの建て替えと、これによって創出する用地を生かした青山通り(国道246号)沿道との一体的なまちづくりだ。質の高い民間開発を誘導しつつ、最先端の文化・流行の発信拠点を形成することを狙う。
同アパートは港区北青山3ノ4他にある都営住宅。1957〜68年に段階的に建設した鉄筋コンクリート造4〜5階建ての住棟25棟で構成し、304戸を管理している。老朽化し間取りや設備が現在の住宅ニーズに対応していないため、空室も多く、建て替えによる住環境の改善が求められている。
表参道駅と青山通りに近接する一等地で、約4fもの敷地を有していることから、既存住宅を建て替えて高層・集約化し、それにより創出される用地に民間開発を誘導し、青山通りと一体的なまちづくりを進める。
都有地に隣接した青山通り沿道のまちづくりの動向を踏まえながら、具体的な事業手法や区域、スケジュールなどの検討を進め、2015年度に実施方針を公表する。
一方、長期ビジョンに位置付けた無電柱化事業を推進するため策定した「東京都無電柱化推進計画(第7期)」では、14〜18年度の5カ年で都道・区市町村道を合わせた延長916`の事業を進めていく方針を打ち出した。
山手通りと荒川に囲まれた「センター・コア・エリア」内では、計画幅員で完成している晴海通りや清澄通り、環状7号線などの都道の無電柱化を20年の東京オリンピック・パラリンピックまでに終わらせ、周辺区部(センターコアエリア外)や多摩地域での整備に重点をシフトするとともに、緊急輸送道路など都市の防災機能の強化につながる路線で重点的な整備を実施。新たな政策目標として第一次緊急輸送道路の無電柱化率を24年度末に50%に引き上げ、このうち環状7号線での整備を完了させる。
また、主要駅周辺などの都道で、バリアフリーと一体的な施工に取り組む他、区市町村道の無電柱化を加速するために支援策を強化する。
さらに、事業を円滑に進めるための方策として、低コストの事業手法の採用や電線共同溝方式の構造のコンパクト化を検討するとともに、電線管理者が所有する管路やマンホールなどの既存施設を電線共同溝の一部として活用することでコスト縮減・工期短縮につなげる。歩道がなかったり幅員が狭い道路では、地域の実情に応じて「軒下配線」を検討したり、地上機器を公園などの公共施設や民地に設置することを検討していく。