日本工業経済新聞社(山梨)
2014/12/23
【山梨】県強靭化計画で骨子案
県は、策定を進めている強靱化計画の骨子案を、19日に開催した第2回県強靱化計画有識者会議に示した。骨子案によると、想定するリスクは自然災害で、具体的には@地震A富士山噴火B豪雨・豪雪―を挙げ、これらに対する対策を盛り込む。計画の推進期間は2015年度から19年度までの5年間とする。
また、「起きてはならない最悪の事態」として、「市街地での建物・交通施設等の大規模な損壊や住宅密集地における火災による死傷者の発生」など35事態を設定。
さらに、35事態の中から特に回避すべき「最悪の事態」を絞り込み、重点化すべき13事態を選定。さらに、本県の特性を踏まえ重要性などの観点から重点化すべき施策を選定する。
骨子案によると、県の強靱化計画は、@計画の趣旨A基本的な考え方B脆弱性評価C推進方針D施策の重点化―などで構成。
計画の趣旨には、「いかなる自然災害などが発生しようとも『致命的な被害を負わない強さ』と『速やかに回復するしなやかさ』を持った安全・安心な地域の構築に向けた『県土の強靱化』を推進する」ことを掲げた。国土強靱化の観点から、県の総合計画や地域防災計画などの指針となるものとする。
計画の考え方としては、国の計画と同様に、基本目標として「人命の保護が最大限図られること」など4項目を、事前に備えるべき目標として8項目を挙げた。
そして、強靱化を推進する上で必要な施策を明らかにするため、自然災害などに対する脆弱性評価を行う。そのため、想定するリスクは国の基本計画と同様に「自然災害」を対象とし、具体的な自然災害として地震、富士山火山噴火、豪雨・豪雪を挙げた。
また、脆弱性評価は、「起きてはならない最悪の事態」を想定した上で行うことになっているため、県の地域の特徴を踏まえて35事態を設定。そして、35事態を回避するため県が行っている取り組みをまとめてプログラム化し、施策分野ごとに整理。
続いて、プログラムの中から緊急性などの観点から13の重点化すべきプログラムを選定。さらに、重点化すべきプログラムの中から重点化すべき施策を選んでいく。
県では、骨子案を基に計画の策定作業を進め、本年度内の計画作成を目指す。
県の有識者会議は、県の強靱化計画策定に対して専門的な立場から意見や提言を行うために設置。19日の会議で鈴木猛康座長(山梨大学工学部土木環境工学科教授)は「最近は予想もしないような災害が各地で発生している。一日も早く県全体として強靱化へ向けた体制を作ることが重要」と計画策定の大切さを強調した。