建通新聞社
2014/12/24
【大阪】吹田操車場跡地に医療クラスター 大阪府
大阪府商工労働部は、JR岸辺駅北側の吹田操車場跡地に国立循環器病センター(国循)を核とした医療クラスターを形成する取り組みで、2015年度早々に実務協議会を設置する。構成員は府、吹田市、摂津市、吹田市民病院、UR都市機構、国循の6者。循環器疾患分野の予防・医療・研究関連企業の誘致、集積を目指す。
同跡地は、吹田市がまちづくり方針をまとめ、URが土地区画整理事業を施行中。全10街区からなり、このうち4〜5街区と7街区、7街区北側に隣接する正雀下水処理場跡地を含めた中心街区約13・2fに循環器疾患分野の企業誘致を図る。
実務協議会では、正雀下水処理場跡地への企業誘致、特区などインセンティブに係る事項などを検討・調整し、中心街区の有機的な連携につなげる。事務局は府に置く。府の担当者は、「国循の完成に併せて18年度末までには医療クラスターも形成させたい」としており、実務協議会の設置後、企業誘致に向けた調整を急ぐ。
中心街区は、4街区2・6fに吹田市民病院の移転建て替え(18年度完成予定)、商業など複合施設の誘致(URで事業者募集中)、5街区3・1fに国循の移転建て替え(18年度完成予定)を決定。7街区3fには、都市型居住施設(スマートウェルネス住宅など)を導入する方向だ。
正雀下水処理場跡地4・5fについては、実務協議会で企業誘致に向けた調整を行った上で、詳細な区画割りを固め、その後、吹田市が進出事業者を募集する。
これまでに同市がまとめた正雀下水処理場跡地の土地活用方針案によると、企業の誘致区画は1区画当たり3000〜5000平方bを想定。定期借地方式による土地賃貸借契約とし、今後、跡地利用基本計画(検討中)や実務協議会での調整を踏まえ募集条件を設定し、15年度中にも進出希望者を募集する。
跡地利用基本計画は、ダン計画研究所(大阪市中央区)が15年3月末の納期で作成中。正雀下水処理場の既存施設撤去工事は15年度末までに完了する予定。
クラスターは、「群」「房」などを意味する。国循を核に、市民病院、医療・研究関連企業などを集積し、世界トップクラスの複合医療拠点「循環器病予防の象徴」と呼ばれるようなまちづくりに取り組むという。