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日本工業経済新聞社(茨城)
2014/12/23

【茨城】県公共事業再評価委 17事業を審議し妥当

 5年経過した県の公共事業を評価する、県公共事業再評価委員会(委員長・佐藤政良筑波大学名誉教授)が19日、県庁5階で開かれた。区画整理や林道、農道、国道、県道、海岸保全、街路、下水道など17事業を審議し継続を妥当とした。つくばエクスプレス(TX)沿線である島名・福田坪と上河原崎・中西の土地区画整理事業は、沿道街区の整備を推進しつつ、住宅地の整備を段階的かつ効率的に進める。国道118号袋田バイパスは、前年度までに2090mを供用し、残り区間は(仮)南田気大橋、JR跨線橋、(仮)北田気大橋の順に整備を進める。

 冒頭、梶原清政策監は「国と同様に公共事業の効率化が求められている。より一層の効率化が必要。そのため長期間経過している事業を見直している。どうぞ忌憚のない意見を」とあいさつ。
 続いて委員長と副委員長を選出。前回同様、委員長に佐藤政良氏、副委員長に拓也氏を選任。佐藤委員長は「民間からも委員に加え、より県民目線で審議したい。県側も県民に説明する気持ちを忘れずに、簡潔明瞭な説明をお願いしたい」と語った。
 議題では、まず島名・福田坪と上河原崎・中西の土地区画整理事業、武生線の奥久慈グリーンライン林道整備事業、県北東部2期地区の広域営農団地農道整備事業の4件について、つくば地域振興課、林業課、農村環境課が説明。
 そのうち島名・福田坪の土地区画整理は、北側で島名環状線内側の整備が概ね完了し、住宅の建設が進むなど、駅を中心としたまちづくりが進む。事業計画を変更し、橋梁の長さを見直して工事費を縮減。一方、上河原崎・中西の土地区画整理は、東西に土浦坂東線バイパス、南北につくば真岡線バイパスが通る場所で、南側には圏央道スマートICが検討されている。両案件とも、引き続き沿道街区の整備を推進しつつ、住宅地の整備を段階的かつ効率的に進める。
 続いて、国道の118号袋田バイパス、125号大谷バイパスとつくばバイパス、294号白山拡幅、355号笠間バイパス、そして主要地方道野田牛久線、美浦栄線バイパスの計7件について道路建設課が説明。
 そのうち袋田バイパスは、前年度までに2090mを供用し、残り区間は(仮)南田気大橋、JR跨線橋、(仮)北田気大橋の順に整備を進める。
 大谷バイパスは、事業区間2・6qのうち渋滞が著しい阿見町側の現道から美浦トレ入口交差点まで約1q区間を優先しながら優先区間外の軟弱地盤対策工を進める。
 つくばバイパスは来年3月ごろまでにつくば市池田からつくば真岡線バイパスまで供用見込み。白山拡幅は白山八丁目交差点の改良を優先。笠間バイパスはJR跨線橋を重点整備。野田牛久線は残る2車線の工事を進める。美浦栄線バイパスは現道から取手東線まで約2・2qを本年度内に供用予定。
 その後、鹿島灘の海岸侵食対策、都市計画道路中大野中河内線ほか1路線、そして湖北、常南、水郷、深芝の4下水道処理区について説明。河川課、公園街路課、下水道課が説明。
 鹿島灘の海岸侵食対策は粗粒材養浜を優先して進める。中大野中河内線ほか1路線は2015年度末までに用地買収済み区間の約100mを優先施工し、残り約700mは16年度末までに全線供用を図る。
 湖北と水郷の処理区は、処理場とポンプ場の工事を継続し関連市町の整備の進捗、接続率の伸びを考慮し整備して25年度までに完成を図る。常南処理区は関連公共下水道からの流入水量の伸びに応じ、中継ポンプ場残施設、処理場水処理施設残施設の建設を進め、26年度までに完成を図る。
 深芝処理区は、流入水量の伸びが近年鈍化しており、今後も適正な規模で継続的な整備を行い、需要に応じた施設を提供。現時点で25年度の事業完了を目指す。
 委員からの「バイパス整備で観光地が寂れないか」といった質問に対し、県側は「バイパス整備で観光客と通過交通を分断させたい。観光客は周遊してくれるので活性化が期待できる」と答えた。
 また委員からは「工事の工夫などでせっかく圧縮したコストが時間の経過で逆に増加してしまう。なんとか早期に事業推進を」といった声が挙がった。
 委員会からの事業継続妥当を受け、県は早期完了に向け各事業を推進する。