日本工業経済新聞社(茨城)
2014/12/17
【茨城】県河川課 台風被害の土木復旧費32カ所2億1640万円採択
県土木部河川課は10月の台風18号で被害を受けた県内の公共土木施設について、災害査定の採択額をまとめた。市町村事業を含む32カ所の申請額2億3590万円余に対し、2億1640万円余が採択された(採択率91・8%)。このうち県では、護岸が崩壊した稲田川や河岸が崩壊した乙戸川、谷田川など26カ所の早期復旧に向けて出先事務所へ1億8360万円余を予算付ける。市町村についても笠間市や城里町の6カ所に3280万円余を採択する。今後、出先事務所や対象市町村から設計や工事が早期に発注される予定だ。
今回の査定は、10月5日から6日の台風18号により被害が生じた河川や道路について行ったもの。県内では県央や県西、県南で被害が発生。県では応急処置を行った後、災害復旧に必要な費用を得るため、国に現地査定を依頼。11月上旬に申請、今月9日から12日にかけて査定が実施され、採択額が決まった。
そのうち県事業はすべて河川。水戸土木や竜ヶ崎工事、土浦土木、境工事の4事務所管内における26カ所で2億230万円余を申請し、1億8360万円余が採択された。内訳は水戸土木が8110万円余、竜ヶ崎工事が4190万円余、土浦土木が4300万円余、境工事が1750万円余。
市町村事業は道路と河川。2カ所で1680万円を申請した笠間市は、ほぼ申請どおり1680万円余が採択された。4カ所で1670万円を申請した城里町は1600万円余の採択だった。
現地査定は、申請に基づいて国交省と財務省の査定官が現地に赴き、査定して復旧金額を決める。決定した金額を査定官が査定設計書に書き込む「朱入れ」で補助額が確定。復旧工事は原則3年以内に実施する。
その後、出先事務所の判断にもよるが、補助額の確定で、制度上、工事発注の準備が可能。
県事業は、当初予算で費用を賄えそうで、速やかな執行が見込まれる。今月中に各事務所へ予算付けされた後、事務所では設計、工事発注の準備を進めていく見通し。
笠間市や城里町についても、本年度に予算枠が確保されていれば県と同様に早期発注へと移行する。だが予算枠が確保されていない場合は、今回の査定を担保に発注するケース、あるいは最終補正で予算枠を設けて、その後で発注するケースが考えられる。