全国初の老人福祉圏域を越えた自治体間連携の特別養護老人ホーム整備が実現する。南伊豆町に特別養護老人ホームの整備を計画している東京都杉並区と、静岡県、南伊豆町の3自治体が基本合意し、11日に県庁で合意書の締結式を行った。各自治体は2014年度に策定する介護保険事業に関係する次期計画に施設整備計画を計上する。その後、杉並区と南伊豆町は15年度に施設を整備・運営する事業者を共同公募する予定だ。
杉並区は南伊豆町に特別養護老人ホームの整備を計画しており、南伊豆町は杉並区の施設と併せて健康福祉センターの合同整備を目指している。建設地は、当初の杉並区立健康学園跡地から変更し、内陸部の中央公民館跡地(加納790、町有地6600平方b)とした。
杉並区と南伊豆町は、15年度に事業者を共同公募する予定。公募方法については、杉並区では全国公募を基本とするが、南伊豆町と協議して決めていく。施設の供用は17年度を目指す。
締結式では、川勝平太静岡県知事、田中良杉並区長、梅本和熙南伊豆町長が合意書を交わした。川勝知事は、今回の連携整備がモデルとなって広がりをみせることに期待を表した。また、田中区長は「都市部の高齢化、地方の活性化といった互いの課題を解決するために連携した先駆的な事例となる」、梅本町長は「ぜひ成功させて、新しい形の自治体間連携が出来上がれば」とそれぞれ述べた。
(2014/12/15)
建通新聞社 静岡支社