建通新聞社(神奈川)
2014/12/11
【神奈川】川崎市が防災都市づくり基本計画(案)、建物倒壊、火災延焼の防止に重点
川崎市は、被害を受けにくく、素早い復興が可能な都市を目指す「防災都市づくり基本計画(案)」をまとめた。減災の面からは人命確保を最優先に施策を展開。主に人的被害が多く発生すると考えられる建物倒壊、火災延焼の防止に重点を置いて、ハードとソフトの両面から取り組むとしている。火災延焼防止のために、根幹的な都市計画の基本方針の中で、新たに「防災街区整備方針」を策定し、重点的・優先的な取り組みが必要な地区として「防災再開発促進地区」などを指定する。
12月12日から2015年1月26日までパブリックコメントを実施し意見を募集。3月の同市都市計画審議会へ報告し、4月に計画の策定を公表・周知する。
計画(案)は首都直下型震災や地球温暖化による豪雨、土砂災害などさまざまな自然災害を対象に、@被害を最小にするために事前に施す防災・減災対策A復興に備えた訓練や手順のまとめ―の2本柱で構成する。
防災・減災対策のうち、建築物の耐震化では、周辺都市での指定状況を踏まえて、優先的に耐震化を推進する幹線道路の指定を検討。耐震改修促進計画により道路沿道建築物の耐震診断を義務化する。
密集市街地での火災延焼などの被害拡大を防止するためには、路線式防火地域の指定拡大と、面的な防火地域などの規制強化に向けて検討する。
具体的には従来、無指定だった東急東横線以西の火災延焼の恐れのある地区を区画分断する都市計画道路の完成区間または整備事業中区間の沿道を対象に、延焼遮断帯の形成を目指した路線式防火地域を指定。延焼遮断帯としての効果を検証し、従来の幅員にとらわれない指定幅を定めるほか、地区計画などによる高さ規制とも連動させるなど、効果の高い組み合わせ手法を検討する。
また「防災再開発促進地区」の指定による、▽防災上危険な建築物の除却勧告や共同建替の拡充▽防災街区整備地区計画などを定めての建築物の規制、防災街区整備事業の導入―などを検討する。