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建通新聞社
2014/12/11

【大阪】大建協「供用日ありきの工期設定改めて」

国土交通省近畿地方整備局と大阪建設業協会(大建協、蔦田守弘会長)との意見交換会が12月9日に大阪市内で開かれた。大建協は、供用日ありきの工期設定を改めるよう求めたほか、発注者の責任により生じた工期短縮に要する費用を設計変更で対応するよう要望。同局は適切な工期設定に努めるとし、工期短縮・延期に伴う割り増し分の積算手法については、協会側から具体的事例を示してもらいながら検討するとの考えを示した。
 冒頭に同局の小俣篤企画部長は、「国土のグランドデザイン2050が策定されたが、今後は関西の活力を高めるためにどのようなプロジェクトに重点を置くべきかといった議論を本格化させたい。関西での社会資本整備はまだ必要であり、整備に当たっては発注者と受注者が対等な関係を築き、パートナーシップを深めながら進めることが大切だ」とあいさつ。
 大建協総合企画委員会の澤井清委員長は、「改正品確法によって発注者責務が明確になったが、違反に対する発注者への罰則がない理念法であるため、一部の自治体からは無関心とも取れる声が出ているようだ」と強調。各自治体における法改正への対応状況を定期的にモニタリングするとともに、受発注者が対等に協議できる仕組みを検討することを求めた。
 現場での課題として大建協は、監督員・現場技術員の人員不足から、三者会議開催に難色を示されたケースがあると指摘。これに対し、同局は「難色を示した事務所は個別に教えてほしい」としたほか、施工プロセスの見える化を目的にASPを活用するよう促した。
 建設業が抱える問題については、▽作業所での就労時間▽建設従事者の人材確保▽受発注者間の双務性▽建設業の重要性、社会貢献の伝え方の工夫−の4テーマを列挙。
 大建協から「現場の技術者は書類づくりに追われて、残業が常態化している」「若手チャレンジ評価型は、建設業が厳しい時代に入社した30歳代に活躍の場を与えることができるため拡大してほしい」「若手や女性を積極的に雇用できるよう、大阪における工事量の見通しを把握したい」「担い手確保に向け、行政と業界が連携した戦略的な広報活動が必要」などの意見・要望が出た。