建通新聞社
2014/12/10
【大阪】再市場調査へ 天保山客船T再整備で大阪市
大阪市港湾局は、天保山客船ターミナルの再整備に向け、2015年度上半期にあらためて市場調査を実施し、下半期に最適な事業スキームを固める方針だ。
再整備へはことし6〜7月に市場調査を実施したが、「収益機能を上げるためにもう少し増床できないか」「容積率や臨港地区の規制緩和が必要」など、既存施設だけでは採算が見込めないとする意見が大半を占めた。
その後、同局で公募条件の整理を進めたものの、現条件では事業が成立しないと判断。既存のターミナル施設以外を活用した事業展開も含め、あらためて市場調査を実施し、需要の掘り起こしを行うこととなった。
天保山客船ターミナルの既存施設は、鉄筋コンクリート造2階建て延べ3万2756平方b。客船岸壁は延長370b(水深10b)。当初の計画では2期に分け、総延べ床面積約7800平方bに改築。16万dの乗船客に対応したターミナル施設として、入国審査ブース30カ所、出入国手続き、バケージのスペース、エントランス・待合室などを設ける。
総事業費には24億1500万円(岸壁など付帯工事含む)を概算。2カ年でリニューアルする予定だったが、市の財政状況を考慮し、財政負担を軽減できる民間事業者による整備・運営手法に切り替えて具体化を図る。
事業者の募集方法については、設計・施工一括によるデザインビルド方式を基本に検討中。
同施設は1969年に完成。83年に耐震補強を実施。大阪都市魅力創造戦略では、世界第一級の文化観光拠点の形成に向けた重点エリアにも位置付けられており、既存施設を再整備し、新たな集客観光拠点化を目指す。