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日本工業経済新聞社(群馬)
2014/11/21

【群馬】県建設技術センターが営繕業務を開始へ

群馬県建設技術センターは、中長期計画の見直し作業を進めており、来年度から新たに営繕業務を開始させる計画だ。県や市町村の建築系職員数が十分でない状況を踏まえ、ニーズが相当あると判断。センター内に営繕部門を新設し、市町村が行う建築物の長寿命化対策や工事積算、工事管理、検査といった業務を支援していく。また、現在は県央部のみにとどまっている建築確認審査業務についても県内全域での対応を目指す。
同センターは、1986年6月に県や市町村における建設行政を補完支援する機関として、県が設立した。公共事業の積算業務や施工管理業務、材料品質試験業務などを通して、県や市町村を支援している。2001年10月には指定確認検査機関になり、建築確認検査業務を開始。その後の公益法人制度改革に伴い、12年4月に公益財団法人となっている。
現在、見直し作業を進めている中長期計画は@工務係の充実強化A建築業務の拡大B社会貢献事業の推進−の三本柱を想定している。特に建築業務の拡大策として、営繕業務を開始することが最大の目玉だ。同センターの堺浩志理事長は「市町村には建築物の数はたくさんあるが、建築技師が不足している。全くいない町村もある。市町村を回る中で『センターで土木だけでなく、営繕業務もやってほしい』という要望があった」と話す。
同センターでは、1996年以降、技術系職員の新規採用を行ってこなかったが、県や市町村の建築技師不足に加え、県管財課が施設の長寿命化を図るため長期保全計画の作成を進めていることなども踏まえて、需要があると判断し、営繕部門の新設に踏み切る。即戦力となる市町村OBを中心に人材確保の見通しも立っているという。
堺理事長は「特に町村では大きな建築プロジェクトの実施が難しい状況。そのお手伝いをさせていただければと思う。建築物は学校施設や公民館など、ものすごい数がある。長寿命化はもちろん、建物を壊す際にも高い判断力が必要となる。また、トイレや上水配管などの設備は躯体以上の耐久力はない。熱中症対策として、エアコンを導入する学校も増えており、そういう面を含めてニーズは相当ある」と今回の改革について説明する。
新設する営繕部門は3人体制でスタートする見通しだが、業務を遂行していく中で、必要となれば臨機応変に規模を大きくしていく。また、建築確認審査や性能評価など従前からの業務についても内容や区域を拡大し、収益の増加を図る。
このほか、工務係の充実強化として、今後の積算・施工管理事業収入額などの状況を確認しながら、土木技師を計画的に増員し、市町村の要望や緊急時の技術支援に対応できる体制強化などを進める。
社会貢献事業の推進としては、収益金を充当して、県内の必要性に合わせ、県内大学などとの共同研究や研究支援、新技術・新工法の導入支援といった社会貢献事業を推進するとともに、公共事業や建設産業に関する情報発信を積極的に行うなど、産学官の連携を手助けし「公益財団法人として、社会的使命を果たしていく」(堺理事長)としている。