福島建設工業新聞社
2014/11/20
【福島】県廃棄物処理計画素案/災害対応の体制構築を/施設の長寿命化など促す
県は、18日に福島市の杉妻会館で開かれた県環境審議会第2部会で、見直しを進めている廃棄物処理計画の素案を示した。施策にはごみ処理施設の長寿命化・延命化対策や大規模災害発生を想定した施設整備・処理体制構築、し尿処理施設の計画的な更新・改修などを市町村等に促すことなどを盛り込んだ。
廃棄物処理法に基づき廃棄物の減量化、適正処理について定める法定計画で、県総合計画の個別計画に位置付けられている。東日本大震災の影響による廃棄物発生状況などを踏まえ、1年前倒して新計画を策定する。計画期間は27年度から32年度までの6年間。今月下旬にも素案に対する県民意見を募集する。
素案では、一般廃棄物処理と産業廃棄物処理について、それぞれの現状と将来予測、目標や主な方策を示した。3Rの取り組み強化、大規模災害発生に備えた廃棄物処理体制整備の促進、産業廃棄物の排出抑制・再利用と適正処理の推進などをポイントに据えた。不法投棄防止対策、放射性物質汚染廃棄物対策、アスベストなど特定廃棄物対策なども明示している。
ごみ処理施設については、老朽化等による維持管理・更新のコスト増加に対応した長寿命化・延命化手法に関する情報提供を市町村等に行う。県ごみ処理広域化計画を踏まえたブロックごとの施設集約の可能性等の検討や、ブロックごとで処理施設やストックヤードに余裕を持たせるなど大規模災害への対応を考慮した施設整備なども促す。ごみ発電、廃棄物系バイオマスの利活用等の技術的助言等も行う。
生活排水対策では、補助金等の支援策により単独処理浄化槽の転換を促進する。市町村等のし尿処理施設については、国の循環型社会形成推進交付金等を活用した計画的な施設更新・改修等や、資源の有効利用に配慮した施設整備(メタン・りん回収設備導入など)を促進する。
災害対策では、国の指針を踏まえて県・市町村が災害廃棄物処理計画の策定・見直しを検討することを盛り込んだ。
産業廃棄物については最終処分場の32年度末における残余年数を管理型が7・8年、安定型が8・2年と推計しており、排出抑制と再利用を一層強化するとともに、県民の処理施設への理解、低炭素社会に対応した施設整備などを促進する。
処理が滞っている1`当たり8000ベクレル以下の放射性物質汚染廃棄物は、技術開発・研究などの施策を講じ処理の加速化を図る。