静岡県建設業協会(木内藤男会長)は14日、静岡市内で県内の県立専門高校9校との意見交換会を開いた=写真。協会側からの意見・要望を踏まえ、学校側は女子生徒を対象とした建設業への就職説明会や、中学生への専門高校・建設業のPRなどを求めた。担当の労務委員会の鈴木啓文委員長は「いい方向に進むよう検討したい」と応じた。
開会に当たって、薩川諭担当副会長があいさつし「お互いに理解をし、連携できることを期待」と呼び掛けた。科学技高校の田中克己校長は、建設需要の高まりを踏まえて「建設業がさらに発展していく時代になってきているのではないか」とした上で、「(意見交換会の成果を)教育に資していきたい」と述べた。
意見交換では、女子生徒の採用が大きなテーマとなった。協会側が「業界としても積極的に女性の活用を考えていかなければならない」との観点から、女子生徒限定の進路説明会の開催を提案。
これに対して学校側は、「建設業に進みたいという生徒がいたが、求人がなかった」「建設業にしっかりと目を向けている生徒が多い」と「建設場に行きたいという意欲もある」といった実態を紹介し、女子生徒限定の説明会の開催に前向きだった。
また、学校側は「中学校の先生には専門高校が建設作業員を育てるというイメージがある」など、教育内容への理解不足があると指摘し、中学生へのPRの必要性を訴えた。業界団体との連携によるPRを既に実施している例も紹介されたことから、協会側は今後検討していく考えを示した。
インターンシップについては、各校共に好評で、「建設業へ道筋の第一歩となっている」「現場作業をやらせてもらった生徒にはすごく印象に残ったようだ。ものづくりへの気持ちが高まった」といった意見が出された。
協会の中村嘉宏理事は、「企業は優秀な人材を求めている。学校には優秀な生徒を育ててほしい」とあえて苦言を呈しながら、建設関係の勉強をした生徒が「他産業に行くのは残念だ」と述べた。
意見交換会には、富士教育訓練センターも参加。同センターで行われているサマー体験学習に対する意見を聞いた。この中で、石川県建設業協会が高校生の体験学習を夏休み期間中ではなく、既に建設業に就職が決まった生徒を対象に2月に実施していることを紹介し、「即戦力」となるような体験学習の在り方を提案した。
(2014/11/19)
建通新聞社 静岡支社