建通新聞社四国
2014/11/14
【徳島】飯泉知事が37項目を政策提言
徳島県の飯泉嘉門知事は12日、内閣府や総務省などの関係府省に対し、今後の予算編成に向けて政策提言を行う。提言項目は「南海トラフの巨大地震に備えた道路ネットワークの早期整備」など37項目。政府の地方創生に向けた取り組みに的確に対応し、東京一極集中の是正と地方創生をリードしていくために必要な施策として、人口減少の克服や地域経済の活性化、命を守る事前防災・減災対策などに関する提言を盛り込んだ。
37項目の政策提言のうち建設関係では、南海トラフを想定した地震・津波対策や大規模災害などの減災・事前防災対策などを主に挙げているが、このほかに人口減少社会に対応した農村地域の創造や農業競争力の強化などで、きめ細やかな生産基盤・交流環境基盤整備に対する支援の充実、水需要の変化に対応する機動的な国営施設整備事業の創設などを提案している。
37項目の政策提言のうち、建設関係の主なものは次の通り。
▽地方の創意工夫により「地方創生」を可能とする推進財源の確保(まち・ひと・しごと創生推進交付金・仮称の創設など)▽地方に「ひと」を呼び込むための支援(空き家活用促進するための支援策の拡充など)▽サテライトオフィスなどの誘致による「地方創生」の推進(市町村が整備する古民家などの回収経費に対する助成制度の創設など)▽四国新幹線の実現▽小規模企業の振興(組合の設備投資支援のための基金創設など)▽人口減少社会に対応した農村地域の創造(住民と行政が一体となった地域の将来ビジョンの作成と、必要な農業生産基盤・生活環境基盤整備支援の充実)▽農村漁村と都市などのの交流促進(Wi−Fiアクセスポイントなどの設置を支援対象とするなど、ICTを活用した農山漁村の魅力発信の充実・強化など)▽地方創生に向けた「林業の成長産業化」の実現(森林整備加速化・林業再生基金事業の継続など)▽安心して子どもを産み育てることができる社会の実現に向けた対応(認定こども園の普及や待機児童解消に向けた保育所整備など、子ども・子育て支援新制度の推進に必要な財源確保・制度充実など)▽自然エネルギーの最大限の導入と効率利用のための「水素グリッド」の構築(地方からの水素ステーションの整備など)▽「道の駅」サテライトステーション認定制度の創設(道の駅と周辺施設をネットワーク化するための支援)▽「命を守る」土砂災害対策の推進(被災リスクの高い地域の監視機能の強化など)▽「災害に強く、強靭(きょうじん)な国土づくり」に向けた社会資本整備の推進(全国防災に代わる新制度の創設など国土強靭化の着実な推進と事業費の年度間変動に対応できる仕組みの構築)▽南海トラフ巨大地震に備えた道路ネットワークの早期整備(海部道路の早期事業化などミッシングリンクの整備など)▽海岸・河川における地震・津波対策の推進(新制度の創設と新技術の実証フィールドとしての徳島の活用)▽気候変動に適応した治水対策の推進(治水対策の着実な推進と集中豪雨に対する内水排除機能の向上)▽公共施設などの長寿命化の推進(総合的な支援制度の創設、地方財政制度の拡充)▽「農業競争力強化」を支える基盤整備の推進(水需要の変化に対応する機動的な国営施設整備事業の創設)