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建通新聞社(神奈川)
2014/11/13

【神奈川】水と太陽光だけで電気と温水を供給、川崎市と東芝がシステムの共同実証試験へ

 川崎市と東芝は、世界初となる太陽光発電と水素を組み合わせた自立型エネルギー供給システムの共同実証試験に取り組む。川崎市の福田紀彦市長と東芝の田中久雄社長が13日に協定を締結し、記者会見した=写真。水と太陽光だけで稼働できるのが特色で、災害時には300人の避難者に約1週間分の電気と温水を供給できるという。
 システムは、太陽光発電設備、リチウムイオン二次電池、水素を製造する水電気分解装置、燃料電池などを組みわせたもの。太陽光発電設備で発電した電気を使い水を電気分解することで水素を発生させタンクに貯蔵。水素を燃料電池の燃料として利用し電気と温水を供給する。
 太陽光発電の最大出力は25`h、最大水素貯蔵量は275N立方b。燃料電池と蓄電池合わせての発電出力は30`h。
 平時には施設の電気、温水、水素、それぞれの使用料と貯蔵量をマネジメントし、最適制御運転を行うことで、ピークカットとピークシフト、電気料金や二酸化炭素排出量の削減ができる。また、災害時には、自立して電力・温水供給をする。システムは20フィートコンテナの大きさに収めているため、災害時にはトレーラーでどこでへでも輸送が可能。
 実証試験は、年明けに川崎市臨海部の川崎市港湾振興会館(川崎マリエン)と東扇島中島公園にシステムを設置し、2015年4月から20年度末まで実施する計画。
 東芝では今後の課題としてコストと機能の効率化などを挙げる一方、15年度からシステムの販売を開始する考えを示した。