建通新聞社(神奈川)
2014/11/12
【神奈川】神奈川県 鎌倉の明月荘 県産木材活用で協定
神奈川県は民間団体と保全・利活用に関する協働の協定を結んでいる北鎌倉の「明月荘」について、修繕にかながわ県産木材を活用する協定をかながわ森林・林材業活性化協議会と結んだ。
協働事業は、地域固有の資源を使い続け、伝えることを活動の主目的に置く任意団体の「神奈川まちづかい塾」と結んでいる。県有建物の修繕や県有緑地の維持管理を、同団体が主体的で進めることになっている。今回は、修繕での県産木材を活用を県、塾、協議会の3者で結んだもの。
協定の内容は、@改修に県産木材を使用することで歴史的建造物としての価値を高め、県民に県産木材の良さをアピールするA県自然環境保全センターが管理する県有林の丸太を提供し、協議会が製材した後に塾の会員が改修する−など。協定期間は11月10日から2016年3月31日まで。
県が提供する資材は箱根町のヒノキ、秦野市のスギ、ヒノキなど。12月までに伐採・木材提供を行い、3月に搬入。4月以降に修繕に取り掛かる。
明月荘の所在地は鎌倉市山ノ内明月谷230ノ2他。総面積は1万4468平方bで、母屋(246平方b)、茶室、庭園などがある。
昭和50年代にマンション建設を阻止するため、建物を含め緑地として県が購入。鎌倉市に貸し出し、同市が約30年間、社会教育施設として一般開放をしてきた。老朽化に伴い2010年7月に閉鎖したが、地元や利用者などから強い存続要望があり、県は保全方策を検討。「神奈川まちづかい塾」と12年度から22年度までの協定を結び、協働で、修繕や維持管理にあたることとした。
今回はさらに、地元木材団体が参加し、官民の協働を強化する。