日本工業経済新聞社(山梨)
2014/11/05
【山梨】西桂町YLO会館 近く改修設計入札へ
老朽化が進むYLO会館について西桂町は、改築工事ではなく、「全面改修(耐震補強)工事」に決めた。改築するよりも、全面改修の方が低予算になることが主な理由。このため町では10月補正で新YLO会館の実施設計および調査委託費1868万6808円を計上し、このほど臨時町議会で承認された。
総務課は、委託業務の入札を今月上旬に決め、山梨県建築設計協会に加盟し、同町に指名参加申請を提出している10社から実績のある「5社」へ通知した。同設計には敷地測量やエレベーター設置のためのボーリング調査を含んでいる。
建設事業費については来年度当初予算案へ約3億円を要望する。建設工事の入札時期は来年5月ごろを予定。入札形態は今後検討していく。
既存の会館はRC造2階建てで延べ床面積1500uの規模。1978年に竣工し90年に増築している。2012年に行った耐震調査では基準を満たしていることが判明したが、建物の雨漏りや屋根の形状、機能面で問題があったため、改修工事を実施。より使いやすい施設として活用する。
主な機能としては、エレベーターや屋根に太陽光発電の設置、内装に県産材を使用するなど。
会館の整備を巡っては、昨秋に町民総合調整審議会が小林千尋町長へ同答申書を提出し、今後の会館について改修ではなく「W造平屋建て新築が望ましい」とした。
構造をW造平屋建てにした主な理由として、全面改修する場合の費用とほぼ同額で済む、これまで分散していた機能が1カ所に集約することでコスト減につながる−などを挙げていた。だが、全面改修工事に決まり、大きくシフトチェンジをしてしまった格好だ。
昨年に審議会が小林町長へ答申書を提出した当時と資材価格の高騰や消費増税などにより、社会情勢が大きく変化したことが、全面改修となった大きな要因だろう。