建通新聞社四国
2014/10/31
【愛媛】黒瀬ダム改良で貯砂ダムを建設
愛媛県は、完成から41年が経過している黒瀬ダム(西条市)の堆砂対策を講じるため、貯砂ダムの建設を計画しており、概略設計を東京建設コンサルタント四国支社(高松市)に委託している。また各種設備機器の更新を行うための基本設計を建設技術研究所松山事務所(松山市)に委託し進めている。2件とも期間は2015年3月10日まで。
1973年3月に完成した黒瀬ダムは、洪水や発電のほか、工業用水や不特定用水の確保を目的としたダム。完成から41年が経過していることからダム貯水池内の総堆砂量は、計画堆砂容量の約2倍に当たる約394万立方b(13年度末時点)まで進行しており、今後も引き続き相当量の土砂流入が見込まれることから、ダム機能の長期維持を目的とした対策が求められ、貯砂ダムの建設が検討されることとなった。
貯砂ダムの概略設計では、設置場所や設置基数、効果、建設の優位性などのダム機能への影響評価が検討され、設置の必要性が認められた場合、次年度以降に詳細設計を外注し、着工に向けて準備が進められる。計画事業期間は14年度から17年度までの4カ年で総事業費は3億円が見込まれる。
一方、各種維持管理設備機器の更新は、14年度から21年度までの8カ年で、総事業費は9億4400万円を見込む。各種機器の主な更新内容は放流設備の改良(クレストゲート更新)、非常用発電機器の更新、観測設備と警報設備の更新、ダムコンピュータの更新、情報収集設備の更新など。
黒瀬ダムの諸元は堤高61・7b、堤頂長207・7b、堤体積15万1000立方bの重力式ダム。72年竣工。総貯水容量は3600万立方b、有効貯水容量は3400万立方b。場所は西条市黒瀬字龍ヶ獄乙。