トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社四国
2014/10/24

【徳島】川口ダムの耐震調査を開始

 徳島県企業局は、21日付で川口ダムの耐震調査を開始した。委託先はクレアリア(東京都北区)。2013年度に実施した同ダムの耐震性能照査業務で、ダム施設の一部が損傷する可能性があるとの結果を受けたことから、施設を調査し、今後予定している洪水吐ゲートと巻上機更新を考慮した門柱補強対策の検討、確認を行う。調査結果は今後実施する門柱補強や洪水吐ゲート更新、巻上機更新の各詳細設計業務に反映させる。
 業務内容は、現地踏査のほか、門柱調査、ダム流下能力検討、ゲート等更新概要設定、門柱補強案検討、門柱補強案確認など。門柱調査では既設門柱のひび割れなどの劣化調査や電磁波レーダーなどによる鉄筋探査を実施し門柱の現況確認を行う。
 ゲート等更新概要設定では、ダム流下能力を満たす更新案を12年度に実施した洪水吐ゲート設備取替予備設計(四電技術コンサルタント担当)を参考に作成し、更新ゲートの寸法や重量などを設定する更新ゲート概要設定や、巻上方法や巻上機、その付帯設備の規格・配置箇所などを設定する更新巻上機概要設定を行う。
 このほか門柱補強案の検討では、門柱調査とゲート等更新概要設定を基に、レベル2地震動に対応する補強工法案を数案作成し、最も有効な補強案(現況門柱補強案と代替案など)を選定する。門柱補強案の確認では、選定した門柱補強案の施工計画作成や予備設計計算・図面作成などを行い、関連工事との連携などに問題がないか確認するほか、門柱補強案の概算工事費算定を行うことにしている。これらを15年3月10日までの期間で報告書として求めることにしている。
 川口ダムは、那賀川の上流にある日野谷発電所で発電した水を逆調整するための利水ダム(逆調整ダム)。ダム形式は直線重力溢流コンクリート。堤頂長182・5b、堤高30b、堤体積5万3500立方b。高さ13・8b×幅13bの鋼製ローラーゲート6門、予備(浮き)ゲートなどが特徴。ダム下流の水位変動を緩和するとともに川口発電所で発電する。50年以上前に築造した。また、1985年度にはダムゲート制御装置を設置。ダム地点の流入量に即応したゲートの開閉操作ができるようになっている。
 企業局の新経営計画案(2016年度目標年次)では、老朽化対策として同ダムの洪水吐ゲート(鋼製ゲート6門の補強または更新など)の耐震化が15〜21年度事業として計画されており、12年度には洪水吐ゲート設備取替予備設計を実施済み。今回の調査結果を基に、洪水吐ゲート更新のほか、門柱補強、巻上機更新の各詳細設計業務を進めていく。
 所在地は那賀町吉野地内。