建通新聞社(神奈川)
2014/10/23
【神奈川】JR東海 リニア中央新幹線事業説明会開始へ 神奈川県内は11月4日から
東海旅客鉄道(JR東海)は、リニア中央新幹線(品川−名古屋間)の事業説明会を沿線の47市区町村開催する。神奈川県内最初の説明会は、11月4日に杜のホールはしもと(相模原市緑区)で開催。今回は市区町村単位での事業説明会。引き続き、自治会などを対象とした事業説明会を開
催する予定としている。
リニア中央新幹線(品川−名古屋間)の工事実施計画は17日に国土交通省の認可を得た。これにより、総事業費5兆5235億円を投じ、東京〜名古屋間の約285`を結ぶリニア中央新幹線の建設事業への着手が正式に決定。JR東海は着工に向けた第一歩を踏み出す。
工事実施計画で示したのは、東京〜名古屋間を結ぶリニア中央新幹線のトンネル、橋梁、駅舎、車両基地などの土木構造物で、総事業費5兆5235億円のうち4兆0158億円に当たる。残る電灯・電力線路や車両などの開業設備については、あらためて国交省に認可を申請する。
神奈川県内のルート延長は約40`あり、多摩川から町田市東部境は大深度地下トンネル。町田市西部境から相模川までは、大深度でない地下トンネル構造とし、町田市の非常口計画地から県内駅を経て相模川まで、できるだけ直線に近い線形で結ぶ。相模川から山梨県境までは、主にトンネル構造とし、串川、道志川は橋梁で渡河する。トンネルの内空有効面積は約74平方b。幅は約13b。本線軌道の中心間隔は5・8b、構造物の幅は約14b。橋本駅付近(現相原高校地下部分)に神奈川県内駅、相模原市緑区鳥屋の地上では「関東車両基地」を建設する予定。
神奈川県内駅が設置される相模原市では地域経済の活性化が期待され、すでに地価の上昇傾向も見られる。一方で、大深度地下に軌道が建設される川崎市内では、環境問題がクローズアップされており、残土処理などの課題を指摘する声もある。これらにどう応えるか、説明の内容が注目される。