日本工業経済新聞社(山梨)
2014/10/21
【山梨】リニア駅周辺施設配置案
県のリニア駅周辺整備検討委員会が20日に開かれ、県が示した駅周辺地区のゾーニング案を了承した。案は、駅前広場を駅南北に配置し、北側に駐車場を、南側に「観光・憩い・交流機能」、東側に産業振興機能、南側南端に調整池を配置する。案を基に県では、本年度内に駅周辺整備基本方針をまとめる。
駅周辺の配置案は、前回(8月)の委員会で2案(B案、F案)に絞りこんだ。2案の共通点は@駅前広場を南北分散A観光機能を「憩い・交流機能」と一体化―で、違う点として、産業振興機能が駅南側か東側かという点と「観光・憩い・交流機能」の配置形状。
2案のメリット・デメリットについて県では、B案は産業振興機能が、地区西側に立地する県工業技術センターに隣接し連携が容易だが、産業振興機能が駅に近く景観が損なわれるおそれがあることや、「観光・憩い・交流機能」がメーン通りで東西に分断されゾーン内での機能連携が困難になることを提示。
F案は、「観光・憩い・交流機能」が駅前の広いスペースに一体的に確保され、山並みや農村景観を一望できる山梨らしい良好な立地を生かしやすく、リニア利用客の利便性も高く、産業振興機能も地区南側に立地するアイメッセに隣接して連携が容易であるのが利点。
そのため県では、観光利便性が高く、伸びやかな駅前景観の形成が期待できるF案が望ましく、さらに、「観光・憩い・交流機能」と産業振興機能の一部(例えばインキュベーションセンターを工業技術センターに近い場所へ配置など)を一体的に展開することを最終的な案としてまとめ、検討委員会に提示。委員も了承した。
調整池についても、親水公園のような機能をもたせることで「観光・憩い・交流機能」内のアイテムの一部て活用することを検討する。調整池の位置や規模、形状などは技術的な見地から今後、決定する。
案に基づき県は、駅周辺整備基本方針を本年度内に策定する。基本方針に基づき来年度からは、事業主体や整備内容などの整備計画の検討に着手する予定。
リニア山梨県駅は甲府市郊外の大津町にJR東海が整備する。駅周辺整備計画は県が中心となってまとめることになっており、検討委員会で協議しているエリアは、北は中央自動車道、南は主要地方道甲府中央右左口線にはさまれた約24haで、検討委員会で協議している機能に加え、駅やスマートIC、地区内道路を配置する。