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北海道建設新聞社
2014/10/17

【北海道】道砂利工組が川砂利採取の復活求める−災害防止効果も 

 北海道砂利工業組合(小沢由明理事長)は、農用地などから採取する陸砂利資源の枯渇が心配される中、河川砂利採取の復活を求めている。砂利の適度な採取は、河床への砂利堆積で形成される中州を防ぎ、災害の防止にも効果があるとしている。
 15日、自民党道連の団体政策懇談会に出席し、河川砂利の採取認可が実現するよう求めた。同組合としては1960年代末に採取規制が始まって以来、初めての要望活動となる。
 道内では、国が管理する雨竜川の一部と道の河床掘削代行工事で河川砂利が採取されている。2012年度の統計によると、本道の河川砂利は陸砂利などを含めた総採取量の1.6%にすぎず、全国平均の11.5%を大きく下回る。
 河川砂利の復活を求める背景として、福井昭和副理事長は「陸砂利の資源が枯渇し始めている。これまでは農地からの採取に依存してきたが、農業基盤整備は暗渠が中心となり砂利の量が滞ってきたからだ」と説明した。
 その上、原価や燃料、電気代などの値上がりで採取コストが膨らみ、資材を運搬するダンプカーの価格高騰が経営を圧迫する。「砂利原石の採取地が遠距離化し、費用が増大している。組合員は今後1―2年で廃業せざるを得ない」(福井副理事長)と窮状を訴えた。
 河川砂利を掘削する利点として同組合は、長年にわたり河川を放置した結果、上流からの砂利が河床にたまり中州が形成されていることを挙げ、砂利採取によって「大雨の際に流れが変わり、川を決壊させる危険を防止する効果がある」と主張した。
 自民党道連の議員も「この30―40年で河床が上がり、水がスムーズに流れなくなった。災害が発生する危険もあり、全面的でなくとも、ある程度は認めていいのでは」と応じた。