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建通新聞社四国
2014/10/17

【香川】負債総額50億円超、前年比大幅増

 2014年度上半期(4月〜9月)の香川県の倒産状況が出揃った。帝国データバンク(TDB)高松支店と東京商工リサーチ(TSR)高松支社まとめの上半期の倒産状況によると、負債総額はいずれも50億円を超え、前年同期に比べ大幅に増加した。今後の見通しについて「年度後半は小規模企業の倒産は引き続き高止まりの傾向を示す一方、新陳代謝に伴う企業の法的整理が進む」(TDB)、「倒産急増は考えにくいものの、資金需要が高まりを見せる年末に向けての倒産動向に注視が必要」(TSR)と
としている。 
 TDB調べの上半期香川県内倒産状況(負債額1000万円以上、法的整理による倒産)によると、倒産件数は19件、前年同期比13・6%減で上半期としては3年連続の減少。件数が20件を下回るのは中小企業金融円滑化法が施行されて初年度にあたる10年度以降で最少。負債総額は51億4500万円で前年同期(18億1900万円)に比べ54・7%増。3四半期ぶりに50億円を上回った。これは負債約20億円で破産した医療法人財団エム・アイ・ユー(丸亀市)の大型倒産があったため。
 TSRまとめの香川地区上半期倒産状況(負債総額1000万円以上、内整理含む)では、倒産件数は28件(前年同期比16・7%増)で過去10年間で9番目。負債総額は78億1600万円。前年同期に比べ193・8%増となったものの過去10年間では8番目の水準。
 業種別に見ると、TDB調査で建設業の倒産件数は4件と依然高い水準。TSR調べで建設業は件数6件と前年(5件)に比べ20%増。負債総額は7億2300万円で前年(9億1500万円)に比べ21%減。
 TDBの9月景気動向調査によると、香川県の景気DIは前月比1・0ポイント減の44・0と消費税率が8%引き上げられたことし4月以降で最も低い。前年同月に比べても2・4ポイント下げ、6カ月連続で全国の45・1を下回った。
 建設業は改善したものの、業界別で「卸売」「サービス」が最も低く、先行き見通しでも消費税率引き上げ後の反動減が予想以上に長引く可能性を示唆しているとした。
 今後の見通しでTDBは金融庁の検査方針を踏まえ「金融機関の融資姿勢が将来性のある成長分野への融資促進と再生難と判断される企業に対し事業継続の可否について決断を迫るケースが増える」として、「新陳代謝による企業の法的整理が増える」と見ている。TSRは「中小企業金融円滑化法ほかの各種政策支援の効果が継続し倒産急増は考えにくい」とした上で、「一部貸出金利見直しや動産、債権担保提供を求める動きも見られ、逼迫(ひっぱく)した資金需要の露呈企業が見られるなど年末に向けての倒産動向に注視が必要」と分析した。