静岡県は、2014年度を初年度とする「公共事業生産性向上推進プログラム」案を、3日に県庁で開催した有識者会議で示した。17年度までの4年間を期間とし、前プログラムを継承しつつ、社会資本の戦略的な管理運営や有効活用、災害リスクに備えたシステム構築、環境配慮に対応して生産性向上に取り組む。
プログラム対象は、県が行う維持管理を含めた社会資本整備の公共事業。取り組みに当たって、@多様な連携・協働による社会資本整備推進A効率性の向上B入札・契約の適正化C社会資本ストックの有効活用D災害リスクに備えた機能確保E環境に優しい社会の構築F担い手の確保−の七つの視点をまとめた。県は今後、有識者会議の意見を反映したプログラム案について県民の意見を募集し、推進委員会で15年2月までに決定する。
具体的には、事業構想、計画・設計、発注、施工、維持管理といった公共事業のプロセスで15施策、資産活用、災害時対応、環境配慮の重点項目で7施策の計22施策を体系化した。計画、実行、評価、反映のサイクルで推進し、評価は13年度を基準とする。
取り組み案のうち新規に盛り込んだ項目は、調達段階で維持管理機能付き入札の導入検討、総合評価審査会市町部会の設置、入札期間を短くする入札の導入検討、概算数量発注方式の導入検討、複数工種・工区等一括契約方式(発注ロットの大規模化)の導入検討など。施工段階では下水汚泥の再資源化の促進、維持管理段階ではICT等の新技術を活用した公共施設のモニタリング技術の試行など。この他、災害時機能では「道の駅」の防災拠点化推進、事前復興行動計画でのICTの活用、みなと機能継続計画(みなとBCP)の策定、若手・女性を活用した入札方式の導入検討、ME(メンテナンス・エキスパート)の導入検討などを盛り込んだ。
(2014/10/15)
建通新聞社 静岡支社