福島建設工業新聞社
2014/10/03
【福島】大熊町/初弾事業は太陽光発電/復興整備協が設立 拠点整備など計画承認
東日本大震災復興特区法に基づく大熊町復興整備協議会が2日、設立された。その後の第1回会議では、復興整備計画と具体の事業初弾となる大川原地区の太陽光発電用地確保事業を協議。同計画と事業予定地の農地転用の農林水産大臣同意が承認された。町が9日にホームページ等で公表することで決定する。特区法に基づく同協議会の設立は9市村町目となった。
同町の復興整備計画区域は町全域に設定。南西部で直轄除染が終了している大川原地区を先行復興ゾーンとして、26〜30年度に整備する。町中心部でJR常磐線大野駅周辺の下野上地区は、第2復興拠点として居住ゾーンと事業所ゾーンを整備する計画で、30年度から10年程度での開発を目指す。町東部は自然保全ゾーンとする。
役場機能は、先行する大川原地区復興拠点内に置く。早期帰還希望者向けに復興公営住宅等を整備し、帰町への道筋を示すほか、植物工場誘致など雇用創出につながる事業も展開する。
除染・廃炉関連技術の研究開発機関の誘致にも取り組む。町内への放射性物質分析・研究施設の設置が検討されているため、それら施設を支援するための宿泊施設など関連施設も誘致する。
大野駅周辺の下野上地区については、国に集中除染を要望する。居住ゾーンは、農村集落や農地など既存の土地利用を基本としながら、今後の町民の帰町に向けて必要に応じて住宅地の整備を予定していく。
同地区の事業所ゾーンは、JR大野駅周辺の町中心部で、公共施設や医療施設が立地していることから、既存施設の復旧、再開を目指すとともに、第2復興拠点として整備する。
太陽光発電用地は、大川原復興拠点整備区域の北側農地3・3fに計画し、27年度までの2カ年で用地取得(賃貸)と設置を目指す。規模は2MW(h)を見込んでおり、町が用地を取得する。設置事業者は県と協議して決める予定。全量売電へ向けて、県や他市町村などと連携して国に実現を働きかけていく。