北海道建設新聞社
2014/10/01
【北海道】加藤組土建に破産手続きの開始決定
加藤組土建(函館市千歳町3の2、加藤健太郎社長)は9月30日、函館地裁に自己破産を申請し、同日付で破産手続きの開始決定を受けた。破産管財人は山崎英二弁護士(函館市時任町2の8)。帝国データバンク札幌支店によると、負債額は約41億2100万円。
同社は1913(大正2)年創業。2013年に100周年を迎えている。資本金は1億円。社員は43人(13年9月現在)。札幌市と乙部町に支店を置く。
格付け等級は開発局の土木と建築がB。道建設部は土木がA2、建築A。
渡島管内の地場ゼネコンの1社として地場経済に影響力を有していた。函館空港や箱館奉行所復元工事など著名な工事実績がある。草創期の土木工事請負から始まり、鉄道の防護柵施工で認められた同社は、道路整備や水産基盤整備などに進出し、ピークの98年3月期には101億5100万円を計上していた。
名車フェラーリ美術館開設や地ビールレストランの経営など異業種参入を進めたが、いずれも採算に乗らず頓挫。これらの借入金や貸付金が負担となり、財務内容を著しく劣化させた。
コンサルタント会社の指導で再建に取り組み、メーンバンクの支援で借入金の圧縮を進めたものの、計画通りにはかどらず、公共工事の減少を受けて14年3月期の完工高は24億3800万円まで減少した。
公共工事代金の債権譲渡による資金調達や竹田測量設計(本社・函館)から資金協力を得たが、同社はことし5月20日付で事業停止。対外信用の悪化で支払い条件は悪くなり、金融機関からの資金調達も限界に達したという。
加藤組土建の仕掛かり工事は、函館開建の函館地区職員宿舎ほか浴室改修、228号松前町奥末橋補修、函館臨港道路排水改良、函館建管の静狩漁港機能保全、鹿部漁港水産流通基盤整備排水改良と川汲海岸高潮対策、小樽建管の3・4・3停車場通防安、渡島総合局林務の原口地区地域防災対策総合治山、渡島総合局水産の北海道津軽海峡地区函館住吉魚礁設置、函館市の昭和小屋内運動場耐震改修、渡島総合局農村の農地防災重内地区21工区。