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日本工業経済新聞社(山梨)
2014/09/30

【山梨】早川芦安連絡道路トンネル設計進む

 早川町奈良田地区と南アルプス市芦安地区を結ぶ早川芦安連絡道路とその接続道路の整備について、横内正明知事は9月26日の県議会一般質問で「芦安側の市営駐車場を起点として、延長約4qのトンネルを掘り、これを経由して早川側のカッパ沢付近に至るルートを検討している。現在はトンネルの詳細な調査設計を進めており、今後も、地元の皆さまや関係機関の協力をいただきながら早期の工事着手を目指してまいりたい」と述べた。
 また、トンネルの芦安側の接続道路についても「連絡道路の機能を十分に発揮する上でも、トンネルの整備と同時に整備方針の検討を行ってまいりたい」とした。
 これらは、桜本広樹議員(自民党・県民クラブ)の質問に答えた。
 早川芦安連絡道路は、地域の活性や観光への貢献を考え、両地区を結ぶ路線として計画。全体計画は延長4980m、幅員5・5m(7・0m)。
 桜本議員は一般質問で「本年2月議会でリニアトンネル工事に伴う発生残土を有効活用して連絡道路の整備を推進する方針が打ち出され、これまで具体的なルートの選定などの検討が行われている。今年6月には南アルプスがエコパークに登録され、今後登山客や観光客の増加が見込まれ、一日も早い連絡道路の開通が待たれている」と指摘。
 また、この地域では7月に林道南アルプス線で土砂崩落が発生し、8月にも台風で県道南アルプス公園線が一時通行止めとなるなど「連絡道路の重要性を痛感した」とし、早期の整備を訴えた。
 さらに「連絡道路に接続する芦安側の県道は、古くから災害が繰り返されて道路改良や橋梁の架け換えなどが行われているが、南アルプスの観光振興や地域活性化は県道の安全対策がなければ成り立たない」と強調。連絡道路のトンネルへの接続道路となる旧林道区間は道幅が狭い箇所や急カーブがあり、大型車の通行に支障がある箇所が多くみられるため、整備にどのように取り組むのか県に聞いた。
 横内知事は、連絡道路のルートについて「計画対象区域が自然公園内にあり、標高約1000mの地点を通過することから、周辺環境への影響、冬季通行の安全確保などに配慮する必要がある」と前置きし、「登山の拠点となっている芦安の市営駐車場を起点として、延長約4qのトンネルを掘り、これを経由して早川側のカッパ沢付近に至るルートを検討している。現在はトンネルの詳細な調査設計を進めている」と答弁した。県では詳細設計を1工区(南アルプス市芦安芦倉)はニュージェックへ、2工区(同)はサンポーへ委託。そのほかに環境調査業務を建設環境研究所へ委託している。