日本工業経済新聞社(群馬)
2014/09/29
【群馬】年明け掘削工事を視野
県企業局水道課は、県央第一水道事務所(榛東村広馬場)の3系浄水処理施設建設を計画している。2015年度から16年度を期間とする工事請負契約費50億4430万円の債務負担行為を設定しており、本年度内に工事発注する。今後、工事発注に向けて内部で積算作業を進めていく。順調なら年明けにも掘削工事着手となる可能性がある。
県央第一水道は、利根川上流の矢木沢ダムと奈良俣ダムを水源としており、利根川右岸の前橋市、高崎市(旧群馬町、旧箕郷町)、吉岡町、榛東村−の4市町村に1983年4月から給水を開始している。2系統4ラインを持ち、最大で日量16万立方mの給水能力を有する。1ラインあたりの給水能力は日量4万立方mとなる。
現在の契約給水量平均は日量12万数千立方m程度となっているが、夏の暑い日などは14万7000立方mほどにまで達するという。給水先には自前の水道事業を持たず、100%依存している地域もある。設備の点検や清掃などを行う際には、1ラインの機能が一時的に丸ごとストップすることになり、水道課は「今はぎりぎりの給水体制」と話している。また、給水を開始してからすでに30年以上が経過しており、将来的な大規模修繕工事も見越して、5万立方m規模の系統を現在の2系統のすぐ隣に増設することとなった。新たに3系浄水処理施設を建設することで安定的な給水体制の構築を図る。
工事は◇施設築造工事(混和池、フロック形成池、沈殿池、急速ろ過池)◇配管工事(導水管φ1500o、L150mほか)◇機械設備工事(急速攪拌機、沈殿池、急速ろ過池)◇電気設備工事◇薬注設備工事(PAC、苛性ソーダ、次亜注入設備)◇水質計装工事◇監視制御設備工事◇監視制御用表示設備工事−を予定し、工期は16〜18カ月を見込む。いずれも本年度内に発注するが、発注工事の組み合わせなどは今後検討を進めていく。
3系浄水処理施設建設にあたっては、2011年度に用地取得し、その後は埋蔵文化財調査や榛東村道の付け替え工事などを進めてきた。現在は天日乾燥床の移設工事を実施しており、今秋に完了を予定している。3系施設は移設する天日乾燥床の跡地に建設する。本年度から一部掘削工事着手を目指し、来年度から工事を本格化させる。16年度中の給水開始を目指す。実施設計は12・13年度に日本水道設計社(東京都千代田区)が担当した。