日本工業経済新聞社(茨城)
2014/09/27
【茨城】県土木部と農林水産部で進む津波対策強化事業
県は、堤防の嵩上げや新たな防波堤の整備を行う津波対策強化事業を進めている。土木部では河川河口や海岸、港湾の合計25カ所で津波対策を計画し、現在までに12カ所で着工もしくは契約中。農林水産部では対策が必要な海岸防災林すべてが施工中のほか、全8地区のうち平潟漁港など4地区の漁港が本年度内に着工予定だ。
津波対策強化事業は、発生頻度が高く大きな被害をもたらす津波、いわゆるレベル1津波や高潮・波浪への対策として、背後に住宅地や幹線道路を控えた緊急性の高い海岸、漁港などを重点整備箇所と位置づけ、堤防の嵩上げや新たな防波堤の整備などを行う復興事業。
土木部と農林水産部が連携し、来年度までの集中復興期間内の完成を目指し、事業を進めている。
そのうち土木部では、河川河口、海岸、港湾の津波対策を推進。河川河口部では里根川など10カ所、海岸では磯原海岸など10カ所、港湾では日立港区など5カ所の計25カ所で事業を進めている。
事業実施に際し、土木部では地域ごとに設計段階から意見交換会などを通じて地元の意向を確認しながら順次着工。現在までに10カ所で工事に入り、2カ所で工事契約の手続きを進めている。
一方、農林水産部では、海岸防災林と漁港の津波対策を実施。そのうち海岸防災林は、北茨城市の神岡上海岸や足洗海岸、また東海村の豊岡海岸など、対策を必要とする6市村内の9カ所すべてで施工中。既設の治山施設の状況などを考慮しながら、防潮護岸の嵩上工事や、人工砂丘の法面の被覆工事などを進めている。
北茨城市など4市内8地区の漁港では、地区ごとに防護施設の高さや設置位置などの具体的な検討を行い、地元説明会を順次開催して了解が得られた地区から着工する計画。
現在のところ、会瀬、水木、久慈漁港の3地区ですでに地元説明会を開催した。10月末までには全8地区で開催予定。そのうち平潟漁港など4地区が年度内に着工予定だ。