事前復興行動計画の策定・推進に取り組む静岡県交通基盤部は24日、県庁で検討委員会を開き、中間とりまとめを行った。災害シナリオ作成、入札制度など五つのワーキンググループが抽出した39項目の課題と方針について、今後、より具体的な内容に詰めていくことを確認した。本年度内には5年程度を期間とした行動計画をまとめる。
交通基盤部では、東日本大震災の復興支援活動として職員を派遣。多くの教訓や課題、ノウハウなどを得ていることから、その知見を生かして南海トラフ巨大地震などの発生時に対応する行動計画の策定を事前に進めている。検討委員会の中に部会として災害シナリオ作成、体制強化、入札制度、用地処理、設計施工のワーキンググループを設けて課題と取り組み方針を検討している。
今回の中間とりまとめで抽出した主な課題としては、@人材の確保(職員の人数、知識など)A災害情報の収集(いち早く正確な情報を収集するためのシステム)B出先事務所機能の確保と維持(シナリオに則したBCPへの見直し)C地域の建設業者を維持していくための方策(入札契約制度など)D市町の強化(市町の体制強化と人材確保を支援するための県の役割)E事務の効率化(用地確保、入札不調増加などを想定した契約制度、IT化)−の6項目を挙げ、有事を見据えた制度改善を行っていくとした。
また、シナリオについては、地震発生から2〜3日後を災害発生期、2〜3日後から1カ月を応急復旧期、1カ月から1年後を復旧・復興期、1年後以降を復興期−の4ステージに分けて、どういった事態が発生するかを再確認した。例えば、災害発生期の段階では、職員参集可能人数や出先事務所機能の状態などについて整理した。
(2014/9/26)
建通新聞社 静岡支社