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建通新聞社
2014/09/25

【大阪】森林保全などの新対策に100億 大阪府

大阪府環境農林水産部は、森林保全と都市緑化を推進するための新たな対策案をまとめた。事業規模は100億円を概算。これまで災害復旧を中心に行ってきた治山事業で、予防的な対策を講じようというもの。併せて、財源確保のため森林環境税などの導入の可能性を探る。新たな対策については、簡易流木防止工や簡易木製土留め、長距離自然歩道の改修、橋梁の長寿命化などを想定する。
 同案は、山地災害危険地区3万2188f(事業規模40億円)、人工林1万9853f(同17億円)、都市緑化の充実6000f(同43億円)の3本柱で構成される。
 山地災害危険地区では40地区1000fを危険渓流の流木対策の最優先エリアに指定し、簡易流木防止工や簡易木製土留め、木柵工、管理用歩道の設置、ハザードマップの作成などを実施する。
 人工林については、間伐材を搬出するための基幹的な作業道40路線(舗装など耐久性向上延長20`)と集積土場の整備40カ所のほか、林業のビジネスリーダーとなる人材の育成などに取り組む。
 都市緑化の充実は、中心市街地や主要駅周辺部30地区100fが対象。緑陰空間を30地区で、建築物・駐車場緑化、コミュニティーガーデンを5地区で整備する。
 また、周辺山系と市街地とを結ぶための新たな対策として、自然歩道と旧街道をつなぐアクセス道路の整備、自然歩道の改修、ルート中にある橋梁などの長寿命化、サイン整備25ルート、森林の景観整備30カ所などが盛り込まれた。
 「大阪府森林の保全および都市の緑化の推進に関する調査検討会議」の中間とりまとめとして公表された同案によると、府下の森林は、府域面積全19万f中5・8万fを占める。担当者は「適正に維持、管理すれば資産価値が上がり、府民にとって貴重な財産となる」とし、府民全体で負担を分かち合うことに理解を求める。
 今後は、府民アンケートなどを実施した上で、調査検討会議の提言としてまとめ、新たな財源確保策と併せて府知事に判断を仰ぐ。事業化が決まれば、約5年の事業期間で新たな対策を打っていくという。