建通新聞社
2014/09/24
【大阪】夢洲鉄道アクセス3案 IR立地準備会議
大阪市都市計画局は、統合型リゾート(IR)の誘致に向けた取り組みで、候補地・夢洲への鉄道アクセスルートとして、JR桜島線延伸(夢洲駅〜桜島駅間6`)、中之島新線延伸(夢洲駅〜新桜島駅〜中之島駅間11`)、地下鉄中央線延伸(夢洲駅〜コスモスクエア駅間3`)の3案を技術的に可能とする報告をまとめた。9月18日の第3回大阪府市IR立地準備会議で示され、橋下徹市長は「IR事業者との今後の交渉にもよるが、JR桜島線と中央線の2線を同時にできるのが理想」と述べた。今後は事業性の検討をはじめ、鉄道事業者、国、関係機関との協議、調整に入る。
3案は、舞洲から夢洲にアクセスする北ルート(JR桜島線、中之島新線)と、咲洲から夢洲にアクセスする南ルート(中央線)に分けられる。
概算整備費はJR桜島線が約1700億円、中之島新線が約3500億円、中央線が約540億円。最短の完成時期は、中央線が2021年、JR桜島線が24年、中之島新線が25年を想定する。
橋下市長は「コスト、工期面では中央線の延伸が現実的だが、都市戦略上はJR桜島線が最適だ」とした。
中央線の延伸は、コスモスクエア駅から咲洲トンネル部分までのトンネル構造物が施工済みで、早期供用が見込める。ただ、09年の市行政評価委員会で事業休止とされており、再開へは再度、同委員会に評価を諮る必要がある。
JR桜島線については港湾護岸を下越しするため、現ユニバーサルシティ駅の西側から地下化し、桜島駅も地下化して新駅を設置する計画。夢洲駅で南ルートと接続することになる。
また、JR桜島線と中之島新線の2線は、民地の下を利用し地上権設定が必要になるため、用地取得により工期が遅れる恐れがあるとされた。
今回の報告は、第2回準備会議での指示に答えたもの。次回会合に向けては、夢洲地区のまちづくり構想案を年末〜年明けにまとめるなどのスケジュールが示された。
松井一郎大阪府知事は、「次期国会でのIR推進法の成立を確信している。このアクセス案を持ってIR事業者2〜3社との交渉を精力的に進めたい」と話した。